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2024.07.10
SUUTAマガジン編集部

ゲームとスポーツの融合で、健康寿命を伸ばし、運動実施率の向上を!スポーツ人口の裾野を広げる最先端の取り組み

近年、リアルとデジタルを融合させた体験型スポーツコンテンツが注目を集めています。その一例として、デジタルのゴルフシュミレーターを見たことがある方もいるのではないでしょうか?

エアデジタル株式会社は、野球やサッカーなどのメジャーなものから、馴染みのないスポーツまで幅広い種類の体験型スポーツコンテンツを開発・提供する企業です。

同社は埼玉県久喜市内の大型商業施設「アリオ鷲宮」に、体験型デジタルスポーツフィールド「スポーツ60&スマート」を令和4年にオープン。
ファミリーやご年配の方まで老若男女問わず、多くの方がデジタルスポーツを楽しんでいます。

スポーツ60&スマートは、デジタルスポーツを体験できるだけの施設ではありません。
10種類以上のスポーツ体験、8種類のフィットネス機器の利用を通して運動習慣を身につけ、健康寿命を延ばすためのスポーツクラブとして、新しい価値を提供しています。

本記事では、事業を始めた経緯や開発秘話、今後の抱負についてエアデジタル株式会社代表取締役の前田相伯(まえだそうはく)さんにお話を聞きました。

オンラインゲームの流行の先読みが、ゲームとの出会い

――前田さんは10年ほどゲーム会社にいたそうですね。

 

前田さん:そうですね。といっても、ほとんどゲームはしていません。プレイすることが好きなわけではないんです。

 

――ゲームがお好きなのかと思っていました。

 

前田さん:幼い頃はそれなりにしていましたけどね。15年ほど前に韓国のゲーム会社に就職したのが現職に至るきっかけです。その当時はアライアンス関係、アニメの版権周りを担当していたので、ゲームの開発はしていませんでした。

 

――意外な経歴に感じます。

 

前田さん:そもそも、アパレル系の専門学校に行っていたんですよ。縫製をしてジーパンを作って。でも、思っていた以上に大変で、悩んでいるときにオンラインゲームの仕事をしている友人が「2000年にオンラインゲームが流行ると思うし、儲かるはず」と教えてくれて。それでオンラインゲームを開発する企業に就職を決めました。

 

――異業種からの転職で、大変だったのではないですか?

 

前田さん:オンラインゲームが普及していない時代でしたから、成功するために会社自体が必死で。なので、私も必死でしたね。初ローンチでやることも多くて。そのときの仲間とは今も一緒に仕事をしています。

 

――その頃から関係性が続いている仲間がいるなんて、素敵ですね。その当時一番苦労されたのは、どのようなことでしたか?

 

前田さん:“ゲームがわからないこと”ですね。ゲームがわかる人と一緒に働いているわけですから、仕事をしていくうえではその人と棲み分けをすれば問題ないですし、海外のコンテンツでプレイをしなくてもゲームの資料を読み込めば支障はなかったのです。しかし、ゲームのプレイ内容について聞かれると、実態をわかっていないので誤魔化すのが大変でした。

1年間営業をして、1件も売れなかった

――韓国の企業に就職されたとのことですが、元々韓国語を話せたのですか?

 

前田さん:使っている間に覚えたという感じですね。気合いです。今もドイツや中国の会社とも連携しているんですけど、やっぱり気合いですね。片言のメッセージを入れて、なんとか繋がって、どうにかなっています。

 

――コンテンツに魅力があればどうにかなるんですね。

 

前田さん:そう思います。ただただ、気合いです(笑)。

 

――独立したのはなぜですか?

 

前田さん:ゲーム会社で働くのは気楽だったのですが、周りがリストラされて焦り始めて。40代・50代になってもこのまま働き続けられるのだろうかと不安に感じていました。常に、独立するきっかけになりそうなコンテンツを探していましたね。

 

――そんな中、レジェンドベースボールに注目したわけですね。

前田さん:ゴルフのデジタルスポーツはすでにありましたが、野球は新しかった。プロ野球選手や著名人に体験してもらって、おもしろいと言ってもらえたので自信を持って1年間営業をしました。うまくいくかはわからなかったので会社を辞めず、副業で。

 

――結果はいかがでしたか?

 

前田さん:それが、1件も売れなかったんです。というのも、設備が大きすぎるんです。置ける場所も会社も限られる。奥行き15メートル、横幅5メートル、高さ3m以上ありますからね。一般的な事務所の高さが3mもないので、簡単に導入できないサイズ感と言えると思います。

 

――コンテンツとしてはおもしろいけど、条件が悪いということですね。そこからどのように好転したのでしょうか?

 

前田さん:大手ゲームメーカーさんなどが購入してくれて、資本参加してくれたのです。そこから流れが変わったので、元いた企業を辞めてこちらに本腰を入れることにしました。

 

――大手ゲームメーカーさんが参入してくれたのはなぜですか?

 

前田さん:私の力ではないですし、説明しづらいのですが、そういう“流れ”がありましたね。そのタイミングを逃さなかったことで、上向いてきました。

コロナ禍で、人生最大のピンチを迎える

――そこからは、手応えがあったのでしょうか?

 

前田さん:ありました。実際、問い合わせをたくさんもらいましたね。大企業から連絡がドンドンきて、うれしい悲鳴をあげていました。しかし、そのタイミングでちょうどコロナ禍に突入したのです。一気に問い合わせは途絶えました。

 

――導入しようと連絡してきていた企業からもお断りの連絡が?

 

前田さん:そうです。エンタメなんて言ってる場合ではなかったですからね。

 

――人生最大の修羅場だったのではないですか。

 

前田さん:本当にそうです。起業してすぐですからお金もないし、バイトをして食い繋いでいました。元いた会社にも戻れず……でしたね。

 

――そんなコロナの時期から5年経って、店舗展開できたのはなぜでしょうか。

 

前田さん:親身になって手伝ってくれる人がいたからです。一人ではできませんでした。今も綱渡り状態のようなところがありますが、問い合わせをくれて手伝ってくれる人がいるから気張っていられるという感じです。

確実に需要はある。どう広げていくかが問題

――前田さんが感じる、このコンテンツの魅力や面白さを教えてください。

 

前田さん:私たちは、オンラインとオフラインを融合させ運動機会づくりを視野に入れた、各種スポーツ種目を体験・対戦できるデジタルスポーツ空間を作っています。デジタルスポーツ空間には、さまざまなセンサーや通信技術を取り入れることができるので 、拡張性に富んでいます。つまり、スポーツ空間としての完成に終わりがなく、年齢、場所、環境、用途、効果、楽しさなどを突き詰める果てしない機会があるんです。その点に、かつてない可能性や面白みを感じますね。

 

――とても独自性のあるビジネスですよね。現状の課題感はどこにありますか?

 

前田さん:どうやって広げていくかが課題だと思っていますね。2017年からこの事業をやってきて、今も可能性を感じているし、多くの投資がされてきたこのコンテンツは誰も持っていないし、手放すのは勿体無い。需要があることはわかっていますから、広げていければ、さらに新しい道が開けると信じて、もう戻れないので突き進んでいます。

 

――ますます広げていくためにはどのようなことが必要ですか?

 

前田さん:モバイルとの連携は必須だと感じています。実機のレンタルや販売事業は、商品をお渡しした後も継続的に関係性を保つのが難しいです。また、店舗事業においても単発の来店で終わってしまっては、ビジネス的にも片手落ちになってしまう。さらに、デジタルスポーツ空間が健康利用できるとしても、健康への意識・健康運動実施率の向上にどの程度繋がっているかは、エビデンスがないので、現状はわからないのです。お客さんに継続的なインパクトを与えなければ、リピートしてもらうのは難しいでしょう。そのため、どのくらいの運動量があったか、その運動量に対して、さらにどんな運動をするとよいということがわかる。そして、なんだか楽しい。そんなフィードバックや環境づくりをしたいですね。

 

――週に何回ここに来ると、筋肉量がどう変わっていくかなどがわかるイメージでしょうか?

 

前田さん:そうですね。さらに言えば、うちのコンテンツと連携しないと販売しても意味がないので、どう連携するかが肝心だと思っています。たとえば、コンテンツにはセンサーがついており、カメラで見たものを認識しています。そのカメラで撮影した写真をお客さんにモバイルで確認してもらえるような仕組みを作ることで、エンタメ性を高めて興味を引き、そこにリッチコンテンツとしての健康の付加価値を足せるととっつきやすいのではと考えています。このように、どうやって活用するかを検討する必要しているところです。

 

――現状モバイルとの連携はどの程度進んでいるのでしょうか?

 

前田さん:操作パネルのQRコードを読み込むと、結果を取り込めるようになっています。会員登録をしてもらって、情報を紐付けようと考えています。一つひとつ着実に進めていかないといけませんね。

需要が高く、おもしろいコンテンツを作りたい

――コンテンツを導入したいと考えた場合、オーダーメイドになるのでしょうか?

 

前田さん:そうですね。競技内容はなんでも応えられます。例えば、バレー、ラグビー、バスケットボールなど様々な競技でオファーがあれば作れます。ただ、おもしろいとは限らないんですよね。できるだけ安価に作って、それを「安いし楽しいしうちも利用したい」と、他の企業も言ってくれるようなものを開発した方がよいと思っています。

 

――実際にオーダーメイドの依頼も来るんでしょうか?

 

前田さん:来るには来ますよ。ただ正直、万人向けではない依頼が多いです。たとえば、卓球。開発はできましたが、そもそも卓球してもラリーが続かないと、プレイしても全然おもしろくない。おもしろくないから、売れないですね。

 

――条件が揃わないとよいコンテンツにはならないのですね。ゴルフのデジタルスポーツコンテンツは、よく見かけます。

 

前田さん:ゴルフをやりたいという要望は多いですね。ここ(スポーツ60&スマート)にも導入しました。

 

――デジタルスポーツは、スポーツ空間として終わりがなく、年齢や性別に隔たりがないということに魅力を感じました。

 

前田さん:過去には、遊技場をメインにだけ設置していたので、ファミリー層にしか訴求できませんでしたが、今は老若男女問わず、利用してくれています。

 

――ここ数年でフィットネスへの関心・意識が明らかに高くなっていると思います。その運動への関心とデジタルスポーツを融合させたのは大きな強みですよね。そうされた理由はありますか?

 

前田さん:お客さんが自らそういった使い方を始めてくれたのがきっかけですね。それをヒントにして、既存のコンテンツを改善・改良してヘルスケア寄りのコンテンツにアップデートしているのが現状です。

地域イベントや会社の福利厚生としての利用

――一番人気のコンテンツはどれですか?

 

前田さん:シミュレーションサッカーコンテンツである「レジェンドサッカー」や同じくシミュレーション野球コンテンツである「レジェンドピッチング」「レジェンドティーバッティング」ですね。私がこの仕事を始めるきっかけとなったコンテンツで長い歴史があり、作り込まれているのでゲーム性が高くておもしろいと思います。カーブやストレートなどの具体的な指示が出せます。

また、2024年2月に、サッカーチームのサンフレッチェ広島待望の新スタジアム「エディオンピースウイング広島スタジアム」に導入された体験型デジタルPKシミュレーター「レジェンドサッカー サンフレッチェ広島モデル」が導入されましたが、サッカーコンテンツもやはり人気です。

 

――対象年齢はありますか?

 

前田さん:どんな方でも楽しんでいただけます。実際に、ファミリー向けイベントでは10代が最も多く、50代まで幅広くご参加いただいています。中高年向けイベントでは、70代が最も多く、90代以上の方もいらっしゃいますね。バッティングセンターとシミュレーションゲームが合体したような感覚なので、誰でもできます。

 

 

令和5年度のとあるイベント参加者比率

――今後はどのような企業にレンタルして欲しいですか?

 

前田さん:学校の体育館を借りて地域の人たちを招き入れるイベントや、会社の福利厚生で利用してもらいたいです。現在は大規模な導入が多いですが、小さい会場でも利用して欲しいですね。今後、ますます楽しんでいただけるように移動型のものも検討していかなくてはと思っています。

 

――前田さん、ありがとうございました。ここからは、SUUTAの編集メンバーが実際にプレーした様子をご紹介します。

①LEGEND SOCCER

PKかフリーキックを楽しめる対戦型サッカー 期待できる効果:足腰を鍛える

②LEGEND ARCHERY

1人でも2人でもプレイできる対戦型アーチェリー。 期待できる効果:美姿勢・胸の筋肉の増強

③LEGEND PITCHING

ストライクゾーンとスピードを競う対戦型ピッチング 期待できる効果:肩関節・腰の強化

④LEGEND T-BATTING

ボールを置いて打つ、対戦型野球 期待できる効果:足腰・バランス感覚の強化

⑤スクリーンゴルフ

攻守交替型で1~2名でラウンディングプレイ可能 期待できる効果:バランス感覚の強化

⑥LEGEND BASEBALL

ゆっくりから豪速球まで、対戦型リアル野球盤 期待できる効果:体感・反射神経の強化

Items

~LEGEND SOCCER~ 迫力満点のゴール シーンを再現! 

~ビッグスクリーン スポーツ~いくつかのオリンピック種目を体験

攻守交替型で複数名で対戦可能 ~LEGEND T-BATTING~ 0

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