今や、日本人の9割以上がスマートフォンを持っているといわれています。
日常を何不自由なく過ごすためには、ビジネスシーンはもちろんプライベートにおいても、安定した通信環境が欠かせません。
「いつでも、どこでも」連絡や調べものができる環境下で、安心して過ごしたいーー。
行き慣れない地方や遠い異国に滞在するなら、そう思う方もなおさら多いのではないでしょうか。
そんなお客様を、通信インフラの側面からサポートしてくれるのが、株式会社ビジョンです。「グローバルWiFi事業」「情報通信サービス事業」の2本柱を中心に幅広く事業を展開する同社は、国内用Wi-Fiレンタルのべユーザー数ランキング※において6年連続1位を獲得中。個人・法人と幅広い客層のさまざまなニーズに応えつつ、今もなお進化しつづけています。
(※2023年12月(株)東京商工リサーチ調べ 調査内容:国内用Wi-Fiレンタル「のべユーザー数」)
今回は、Wi-Fiレンタル事業の現状や最近のトレンドについて、海外戦略事業部で営業を務める、中村友香(なかむら・ゆか)さん(右)、川崎沙央里(かわさき・さおり)さん(左)のお二人にお話を伺いました。
――現在の事業内容を教えてください。またあわせて、事業の経緯をお聞かせください。
中村さん:我々が所属している海外戦略事業部には2つのチームがあります。1つは、日本国内のお客様向けにWi-Fiルーターをレンタルしているチーム。私と川崎は、こちらのチームメンバーです。もう1つは、インバウンドのお客様向けにサービスを展開しているチーム。主なブランド名としては、それぞれ「WiFiレンタルどっとこむ」と、「NINJA WiFi」になります。また、別部署ですが海外渡航者向けのサービスとして「グローバルWiFi」というブランドもあります。①日本国内向け、②インバウンド向け、③海外渡航者向けの3種が、弊社の「グローバルWiFi 事業」です。
ーー「WiFiレンタルどっとこむ」について、教えてください。
川崎さん:「WiFiレンタルどっとこむ」は弊社で運営している、日本国内用のWi-Fiルーターレンタルサービスです。海外から日本への一時帰国、地方への出張、引越し、入院など、用途に合わせて1日単位での利用が可能です。こちらのサービスは、2008年の7月に「e-ca」というブランド名でスタートしました。「e-ca」は当初、法人のお客様向けに1カ月間ルーターを貸し出すサービスでしたが、個人向けのサービスも展開してほしいと、お客様からご要望をいただき、2010年にWEBサイトを新設することとなりました。ですが、運営していく中で、「もっと短い期間でルーターを借りられるサービスがほしい」との声が多く集まり、2012年に「WiFiレンタルどっとこむ」を新設し1日単位でWiFiをレンタルできるようになりました。
ーーその後、設立から12年ほど経ちましたが、運営状況に変化はありますか?
川崎さん:設立後、徐々に認知され、2020年以降の新型コロナウイルス蔓延の煽りを受けて、一気に急成長しました。テレワーク導入を背景に、家でパソコンを使う人が増えたり、外出自粛で動画サイトを見たい人が増えたりしたためです。あとは「入院している患者さんがご家族と面会できないので、院内でオンライン面会を取り入れたい」などのお声もありました。
ーーWi-Fiルーターのレンタル全般は、いつ頃から一般的になったのでしょうか?
中村さん:私がこの会社に入ったのが10年くらい前なのですが、当時はあまり競合他社がいませんでした。本格的に需要が出てきて、他社が増えはじめたのはコロナ禍直前くらいでしょうか。
川崎さん:出張や旅行で海外渡航した方達が、自分のスマートフォンでインターネットに接続して、帰国後に高額の使用料を請求される、いわゆる「パケ死」問題が起き、「海外渡航時はWi-Fiルーターを借りると便利」という世間の認知が広がりました。
ーーそうだったんですね。では次に、ビジョンのWi-Fiレンタルサービス普及のためにやってきた取り組みについて教えてください。
川崎さん:国内向けのレンタルサービスを利用するお客様として最も多いのが、日本へ一時帰国される方々です。その方たちの目に留まるよう、Web上や関連雑誌に広告を掲載しています。それから、入院しているお客様向けにチラシを作成し、病院内で配ってもらったり。引越し業者さんやインターネット回線を手配する会社に間に入ってもらい、「固定回線が開通するまで、Wi-Fiルーターのレンタルはいかがですか?」と案内してもらう取り組みもあります。
中村:以前は受け取りカウンターに来てくれた方に直接チラシを配布したり、「グローバルWiFi」の利用者様にメールマガジンを送ったりしていました。
ーー一度サービスを利用した方にアプローチしたんですね。
中村さん:そうですね。Wi-Fiルーターは、「家族が赴任先から帰ってくるから」と、ご親族の方が手配される場合も多いです。なので一度利用してくれた方に訴求すると効果的なんですよ。直接チラシを配布することで、「こんなところが新しくなりました」「こんなサービスもありますよ」と具体的なご提案もできますし。
ーーWi-Fiルーターはどのように受け取れますか?
中村さん:海外渡航者向けの「グローバルWiFi」に関しては、空港の受け取りカウンターで受け取っていただく場合が多いです。WiFiレンタルどっとこむに関しては、以前は宅配でのみでしたが、お客様の幅広いニーズに応えるため、拡充しました。競合他社が出てきた時期でもあったので、差別化を図るために受け取り方法や返却方法を増やしていきました。
川崎さん:今だと、全国のコンビニエンスストアをはじめ、病院でも受け取れます。特定の病院のみになってしまうのでホームページ上には記載していませんが、売店や、アメニティを貸し出ししている窓口などで受け取れるよう、ご協力いただいています。
ーー入院中って暇ですし、決まった期間のみルーターが必要になるという点で、需要がありそうですね。
川崎さん:そうなんです。中には、「予約時に病院名・病棟名・お名前が分かれば、スタッフが患者さんにルーターを届けます!」と言ってくれる病院もあります。動画サイトやSNSを見るにはかなりのデータ通信量が必要ですし、Wi-Fiルーターが手元にあるとスマホのデータ通信量を気にせずに済み、気持ちが楽ですよね。それから、事前に旅行先・出張先のホテルフロントへルーターを届けておく方法も、荷物にならずオススメです。
ーーさまざまなニーズを想定し、対応しているんですね。ちなみに、実際にサービスを利用するお客様には、どのような方が多いのでしょうか?
川崎さん:割合的には、個人のお客様がほとんどです。
中村さん:法人のお客様は件数こそ少ないですが、長期間借りる方が多い印象です。リピート数も多く、出張や海外赴任の方の一時帰国など、さまざまなタイミングでご利用いただいています。新規のお客様とリピートのお客様の割合は半々、といったところでしょうか。
ーービジョンのレンタル事業における、強みはどこにありますか?
中村さん:ヒアリングしたお客様の声がスピーディに現場へ届くところです。佐賀県にカスタマーセンターの拠点を置き、全商材の情報を取りまとめているので、お客様から届いた要望に対し、即座に対応できます。また、出荷やルーターの利用に関するお問い合わせも24時間365日受け付けています。「何かトラブルが起こってもすぐに相談でき、対応してくれる」というお客様からの「信頼」は、一番誇れる部分ですね。
川崎さん:私が強みだと思うのは、ルーターが手元に届くまでの「速さ」です。法人・個人を問わず、16時までにご注文いただいたお客様には、東西2つの拠点からルーターを当日発送しています。これにより、北海道沖縄・一部離島を除くほとんどの地域に、翌日中には商品を届けることができるんです。お客様からはよく、「えっ、速いですね!」と喜びの声をいただきます。お客様の「今、欲しい」を叶えるため、お昼の12時締め切りからはじめ、「もう1時間伸ばしてみよう」と段階を踏み、徐々に時間を伸ばし、しっかりと発送体制を整えてきました。
ーー「国内Wi-Fiレンタル利用者数 6年連続1位」達成の背景には、やはり並々ならぬ企業努力があったわけですね。
川崎さん:毎年1位になっている背景には、こうした自社の姿勢に加えて、しっかりとお客様のニーズを把握したうえでご対応くださる代理店の存在が欠かせません。本当に感謝ですね。
中村さん:弊社が東証一部(現:東証プライム)上場企業であると積極的に発信していることも、お客様の「信頼」に繋がっていると思います。そして、そのように「信頼」される会社であるということを所属している社員が改めて自覚し、「もっと頑張ろう」と襟を正してくれたらよいですね(笑)。そのことでさらに質のよいサービスを提供でき、業績を伸ばせるのではないかと思うんです。
ーー話は変わりますが、通信キャリアの中でトレンドはありますか?
川崎さん:トレンドはこれといってないのですが、データ通信容量が無制限だったり、安かったりするプランは、比較的好んで選ばれているのかなと思います。私が対応していて多いのは、「地域柄、○○のキャリアが繋がりにくいから、そこ以外のものを借りたい」というケースですね。
ーー設定も結構複雑なイメージがありますけど、そのあたりはどうされているのでしょう?
中村さん:接続までの設定をすべて済ませた状態でお客様にお届けしています。お客様は、接続したい端末にパスワードを入れるだけなので、スムーズに、安心してお使いいただけますよ。
ーーでは、もしも通信が繋がらないといったトラブルが起きた場合、どうしたらよいでしょうか?
中村さん:まずは24時間体制のカスタマーサポートをご利用いただき、要因がわかったら、サイト上にも掲載しているトラブル対策用マニュアルをご参照いただきます。故障の場合は、もちろんすぐに交換端末をご用意いたします。
ーーサポートが手厚くて、本当にありがたいですね。
川崎さん:「W-iFiルーターと一緒に、ノートパソコンやタブレットをオプションで借りられませんか?」というお問い合わせも結構いただきますね。今現在商品展開しているものとしては、Wi-Fiルーターを車で充電する端子や、モバイルバッテリーくらいで、ノートパソコンやタブレットについては個人情報の観点から未だ対応できておらず、どうするか社内で検討している最中です。
ーーほかにはどのような要望がありますか?
中村さん:「Wi-Fiルーターを長期で利用するので、割引してくれないか」というお声はよくいただきます。「WiFiレンタルどっとこむ」は、もちろん長期利用のお客様が短期の方よりも安価で使えるシステムなのですが、現状、使えば使うほど安くなるという仕組みではないんです。今後もお客様の要望に応えつつ、「ビジョンだからこそ、より長く使いたい」と思っていただけるように努めていきたいです。
ーー最後に、商品をSUUTAに掲載するにあたり、期待することは何ですか?
川崎さん:SUUTAの魅力は、「借りた製品を気に入れば、そのまま購入できる」というところです。実際、日頃から「購入する前のお試しとして、ルーターを借りても大丈夫ですか?」というお問い合わせを多数いただいています。ぜひこれを機に、気兼ねなくお試しいただければなと思います。また、SUUTAでは弊社にないアイテムもレンタルできるため「Wi-Fiルーター+ほかのアイテム」をセットにして気軽に借りていただけたらうれしいです。逆に「セットで借りられるなら、ついでにWi-Fiルーターも借りてみよう!」と思ってもらえるとよいですね。SUUTAとタッグを組むことで、弊社だけでは叶えられないご要望を、どんどん実現していきたいです。
――中村さん、川崎さん、ありがとうございました。