2019年頃にブームが再燃し、今も人気が冷めやらない「サウナ」。銭湯や温泉施設で“ととのう”方が多いと思いますが、人気が拡大しグランピング施設やリゾートホテルなどにも設置されることも増えました。
なかでも屋外に設置できるフィンランド式の『バレルサウナ』と呼ばれるサウナが注目を集めています。最近では施設やホテルへの設置だけではなく、個人のご自宅への設置も少しずつ増え“サウナのある生活”がより身近になっているのだとか。
そんなバレルサウナを、素材からこだわって製造・販売を行っているのが、株式会社和合商事です。今回は和合商事の代表であるソ・ビクトルさんに、バレルサウナの魅力やこだわり、そしてレンタルを行うメリットなどを伺いました。
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バレルサウナとソ・ビクトルさん
――事業内容について教えてください。
ソ・ビクトルさん:もともとは建築エンジニアとして起業をし、現在28年目です。ログハウスやプレハブ、樽風呂など、シベリア杉を材料にしたさまざまな商品を製造・販売しています。
――サウナの販売はいつ頃からはじめたのですか?
ソ・ビクトルさん:約3年前からですね。何かおもしろい事業をはじめたいと考え、社内のスタッフから意見を募ったんです。すると「サウナはどうか?」という意見が上がったので、事業をはじめてみることにしました。
――スタッフさんからの提案だったんですね。サウナにした決め手はなんだったのでしょうか。
ソ・ビクトルさん:私は日本だけではなく、アメリカなどに暮らしていた経験があります。日本は自然や環境が素晴らしいのに、遠慮をしたり我慢をしたりしている方が多いと感じていて……。自分の心を解放するという意味でも、毎日をおまつりのように楽しめてリフレッシュできるものとして、サウナがいいのではないかと考えたんです。なかでも設置のハードルが低い『バレルサウナ』を製造・販売することにしました。
――そもそもバレルサウナとはどんなものですか?
ソ・ビクトルさん:バレルサウナは、サウナの発祥の地であるフィンランドで古くから使われている樽型のサウナです。形がユニークなだけではなく、比較的小さいので設置がしやすく、設置場所を見つけやすいのが特徴です。トラックの荷台やトレーラーに載せて移動ができるので、あらゆるところに設置できます。一般的な建築物の場合は基礎工事をしてから設置しなければいけないので、許可や申請手続き、基礎分の工事費用の準備が必要です。一方、バレルサウナは申請も基礎工事も必要ありません。ご家庭のお庭やキャンプ場、ホテルなどにも設置しやすいんです。
――和合商事で取り扱っている商品の特徴を教えてください。
ソ・ビクトルさん:いちばんは「シベリア杉」を使っていることです。シベリア杉は松などと比べて成長が遅い木材で、育つのがゆっくりな分、中身がぎゅっと詰まっていて丈夫という特徴があります。木材の表面はきめ細やかで、香りもいいんです。
――確かにバレルサウナに入った瞬間から、木のいい香りに包まれている感覚があります!
ソ・ビクトルさん:木材をコーティングせず、無垢材を活かしているからですね。木は呼吸をしているので、香りの良さや天然の吸湿効果があります。サウナに入っていると、自然と調和するような感覚が味わえますよ。頭がすっきりして、ストレスから解放されるような気分になれるのもサウナの魅力の一つですね。大きめのバレルサウナの場合、サウナストーブを置く部屋と別にテーブル・椅子を設置した部屋を完備しています。シベリア杉の香りに包まれながら、仕事をしたり人を招いて打ち合わせをしたりできるところも魅力だと思いますね。
もちろん、見た目や香りがいいだけではありません。シベリア杉は、寒い場所で育つ木なので雪や雨に強く耐久性が高く、20〜30年の耐久性を誇ります。外に設置するものだから、耐久性は重要ですよね。また、シベリア杉は換気をしてあげれば修理が必要なダメージは受けにくいんです。加えて、安く仕上げられる点も弊社のメリットですね。
年輪が詰まっておりきめの細かいシベリア杉の断面
――シベリア杉というと高級木材のイメージがありますが、どのようにコストを抑えているのでしょうか。
ソ・ビクトルさん:シベリア杉を使ったサウナは、一般的には木材調達や加工、輸送に加えて、それぞれに仲介業者が入るので値段が高くなってしまうんです。その点弊社では、シベリアに工場を持っています。周りには動物と鳥しかいないような豊かな環境で育ったシベリア杉を切り出し、本場・フィンランドの機械を使って加工。そのまま日本に運び、販売まで一気通貫で弊社で行っているので、ほかのバレルサウナと比べて安く販売できるんです。
お客様の中にはサウナ好きが高じて、日本の木材を使ってバレルサウナを作ろうとした方もいたのですが……見積もりを見てあまりの高さに驚き、結果的に私たちのバレルサウナを買ってくれました。一般のお客様でも手の届く値段を心がけています。
バレルサウナの中でも人気の高い小さめサイズの商品
――商品のなかでとくに人気のものはありますか?
ソ・ビクトルさん:商品のなかでも比較的小さく、値段もお手頃な2〜4mの長さのバレルサウナが人気です。大きすぎないのでお庭や敷地内の景観に馴染みやすいと好評ですね。
――どのような方が導入することが多いですか?
ソ・ビクトルさん:個人のお客様もいますが、ホテルやグランピング施設への導入が中心ですね。なかには1人で17台のバレルサウナを購入し、経営している宿泊施設に導入する方もいます。
――17台!すごいですね!
ソ・ビクトルさん:その方とは搬入などをするうちに仲が良くなって、バレルサウナの導入施設に遊びに行くなど交流が続いています。ほかのお客様も遊び心のある方ばかりです。
――搬入や設置も行っているんですね。
ソ・ビクトルさん:はい。ほかのバレルサウナより安いとは言っても、高い買い物であることには違いありません。商品が予定通りに届かないなどのトラブルを避けるために、お客様のところに直接足を運び、自分たちで搬入・設置することを徹底しています。
ご注文いただいたらまずはトレーラーにバレルサウナを載せて、設置場所に伺います。お客様が商品を確認してから銀行振り込みで入金をしていただき、入金が確認でき次第そのままトレーラーからバレルサウナを降ろして設置するんです。お客様にとっては物が届いてからの支払いになりますし、トラブルなくお客様に商品が届けられるため、私たちも作業がスムーズになります。
――アフターサポートも直接伺うのですか?
ソ・ビクトルさん:バレルサウナはパーツの取り外しがしやすいサウナです。そのため、お客様から修理が必要な部分をお聞きし、パーツをお送りすればお客様で交換できます。
――商品を見られるショールームもあるんですよね。
ソ・ビクトルさん:ショールームはいくつかありますが、さまざまな商品を見られるのは札幌、東京(2025年2月以降)、大阪(2025年3月以降)、沖縄、静岡(静岡全種類あり)のショールームですね。2m程度の小さなものから5〜6mある大きなものまで取り揃えています。サイズだけ聞いても、実際に置いたときの想像はつきにくいですよね。見てみると「意外に大きい!」と驚く方も多いんです。そのため、一度実物を見ていただくと良いと思います。在庫があるものに関してはそのまま販売も可能です。
――お客様と相談しながらベストな商品をおすすめしているんですね。
ソ・ビクトルさん:実物を見ながら、大きさやご予算などのご希望を伺いながらおすすめの品を紹介しています。ある程度高額なものですし、設置するための場所の検討も必要です。買う方にとっては、お金だけの問題で決められない大きな買い物だと思うんです。それでもサウナが心から好きだから買う。そんなお客様と向き合い、素材にも価格にもこだわって心からおすすめできる商品の製造・販売を行っています。
バレルサウナ内のサウナストーブ。ロウリュも可能
――サウナをレンタルする方もいますか?
ソ・ビクトルさん:はい。期間によっては割高にはなってしまいますが、トレーラータイプなどはレンタルがしやすい商品です。バレルサウナを買うにあたって、使い勝手や置いたときの庭や施設の景色の変化などが気になると思いますが、実際に設置してみないとわからないんです。自分の家や施設にどのバレルサウナがいいのか、まずは試してみる機会としてレンタルを活用していただければ嬉しいですね。
――SUUTAでのレンタルも現在検討してくださっていますよね。
ソ・ビクトルさん:そうですね。弊社では現在10種類ほどのバレルサウナを取り扱っています。そのなかでどれがいいのか悩んでいる方が選ぶためにも、SUUTAでのレンタルは大きな判断材料につながるのでは?と期待しています!
――その他の商品はございますか?
ソ・ビクトル:天然木材を使用したログハウスのバリエーションも取り揃えております。 こちらもSUUTAへの出品を現在準備中です。
――本日はありがとうございました。
株式会社和合商事