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2025.01.06
SUUTAマガジン編集部

愛されネコ型配膳ロボットで変わる!最新AI技術で人手不足の解消を

人口減少や高齢化によって不足している労働力。外食産業もその例に漏れず、人手が不足しています。

株式会社DFA Roboticsは、飲食業界を中心にサービスロボットを活用したソリューションを提供。大手ファミリーレストランチェーンをはじめ様々な店舗や施設へ 3,500台以上の導入実績を誇ります。

今回は株式会社DFA Roboticsマーケティング&PRの五十嵐彩乃(いがらし・あやの)さんに、事業内容やロボットをレンタルするメリットについてお話を伺いました。

INDEX

サービスロボットは、人の可能性を伸ばす

ーー事業内容を教えてください。

五十嵐さん:配膳や運搬、掃除などを担うサービスロボットの販売・レンタルや導入支援、その後のアフターサポートサービス事業を展開しています。人口減少・高齢化による労働力不足に対し、ロボットを「人の仕事を奪う」のではなく「人の可能性を伸ばす」パートナーと捉え、飲食店やホテルの事業者様向けにサービスを提供しています。

ーーなぜサービスロボット事業を始めたのでしょうか。

五十嵐さん:2017年の創業以来、ドローン事業を手がけてきました。「道路を走行する配送ロボット」の事業も 進めていたのですが、法規制の壁が高く実用化には多くの課題があり、難航していました。新たな事業の柱を探しているタイミングでコロナ禍になり、非接触対応のニーズの高まりを肌で感じるようになったのです。非接触対応を可能とする技術について調べてみると、中国の企業が開発した配膳ロボットが急速に普及していることがわかりました。日本の飲食業界でもニーズがあると考え、2021年 に配膳ロボット事業に本格的に参入。現在では弊社の主力事業になっています。

ーーサービスロボットを利用するのはどのようなお客様ですか。

五十嵐さん:飲食店やホテルの事業者様が多いですね。最近は、病院や介護の現場でもニーズが高まっていて、医療福祉分野での導入も進んでいます。

働く側もお客様も癒されて

株式会社DFA Robotics インタビュー記事

ーー人気ロボットの魅力について教えてください。

五十嵐さん:配膳・下げ膳ができるロボットが人気です。とくに、ネコ顔のロボット『BellaBot(ベラボット)』は、外食産業大手のすかいらーくグループをはじめ、さまざまな飲食店で導入されています。40kgまでの料理を最大4箇所のテーブルに配膳できる機動性と、スタッフやお客様とのコミュニケーションを重視するPudu Robotics社のデザイナーが提案した、愛らしいネコのデザインが大きな特徴です。Xの公式アカウントでは「ベラちゃん」の愛称で親しまれ、フォロワー数は18,000人、ドラマやウェブCMへの出演依頼もいただくほどの人気ぶりです。

ーー飲食店では、どのように『BellaBot』を活用しているのでしょうか。

五十嵐さん:活用方法は店舗によって異なります。たとえば、厨房からテーブルまでの配膳をすべてロボットがおこなうケースもあれば、料理の最後の受け渡しだけは店員様が担当するお店もありますし、回転率を重視して下膳を中心に活用する例もあります。ホテルのビュッフェ会場や焼肉店では、使用した大量の食器の下膳作業にも活用されていますね。

株式会社DFA Robotics インタビュー記事

ーー印象に残っている店舗はありますか。

五十嵐さん:営業担当者によれば、千葉県富津市にある「漁師料理かなや」様が印象的だそうです。最大席数450席という大型店舗で、1日にバスツアーが何台も訪れる人気施設ですが、立地の影響で人手不足や従業員の業務負荷の重さに悩んでいました。その課題を解決するために、『BellaBot』を8台導入。ロボットとオペレーションの運用体制やマップを何度も調整し、プログラミングで店内すべての配膳ロボットが自動で連携する仕組みを構築しました。
その後、追加でさらに2台導入いただき、現在では1店舗で国内最多の10台のロボットを活用しています。従業員の配膳回数の減少や、シフトに左右されない店舗運営につながっているようです。

株式会社DFA Robotics インタビュー記事

ーーお客様がロボット導入をするきっかけは何でしょうか。

五十嵐さん:人手不足対策として検討するケースが多いですね。とくに、すかいらーくグループでの導入実績をきっかけに、多くの飲食店様から関心をいただくようになりました。展示会で実物を見ていただき導入に至ったり、代理店様から紹介を受けたりする場合もあります。

ーーロボットに対する従業員の反応はいかがですか。

五十嵐さん:導入当初は「自分たちで運んだ方が早い」と戸惑いを感じる場合も多いのですが、使いこなせるようになると「ベラちゃんがいないと困る」という声が増えるようです。

ホールスタッフ様を対象としたアンケートでも、導入後は9割の方が「今後も配膳ロボットと一緒に働きたい」と回答しています。ロボットが単純作業を補完することで、スタッフの方々がより接客に専念できる環境が整い、喜ばれているようです。

ロボットはあくまでも人の仕事を補完するものだと考えています。人にしかできない接客やおもてなしがある一方、ロボットが得意な作業もあります。両者のよさを活かしながら、よりよい働き方を実現できるといいですね。

株式会社DFA Robotics インタビュー記事

ーー飲食店に来られるお客様の反応をお聞かせください。

五十嵐さん:お客様の反応もよく、とくにお子さんたちに人気です。ベラちゃんは語尾に「〇〇ニャン」とつけて話しかけてくれます。その愛らしい姿が大きな魅力となり、多くのファンを獲得しています。

クリスマスやハロウィンなど、季節ごとにベラちゃんを装飾している店舗もあります。その店舗に出向き、頻繁に写真をX上に投稿してくれる方もいますね。そのような投稿を見て、さらに多くのお客様が興味を持ってくれるのがうれしいですね。

導入を徹底サポート、トラブルにも迅速対応

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ーーロボット導入までの流れを教えてください。

五十嵐さん:最初にお客様の悩みやニーズをしっかりとお聞きして、導入の目的を明確にします。どの業務をロボットに任せるかなど、店舗ごとの課題に合わせた最適な運用方法を一緒に考えていきます。

続いておこなうのは、店舗環境の現地調査です。ロボットは段差を越えられないため、現場の床の状態やケーブル類の有無をチェックします。さらに、弊社が取り扱う配膳ロボットの最小通路幅は55センチで狭い通路は通れない場合もあるため、通路幅も調べます。通れないところがあっても、ルート設定次第で対応できることもありますね。

環境に問題がなければ、1週間程度お試しで運用していただきます。使用感を確認してから、導入するかどうかを決められます。

ーーロボットの初期設定はどのようにおこなうのでしょうか。

五十嵐さん:ロボットを押しながら実際に店内を歩き、センサーで空間を認識させます。この情報をもとにロボットが店内の地図を作成し、待機場所や配膳ルートを設定します。

重要なのは待機場所です。キッチンからの動線や店舗オペレーションを考慮して調整します。配膳ルートを設定する際は、各テーブルの停止させたい個所に「1、2、3…」もしくは「A-1」などと番号や記号などを割り当て、ロボットに記憶させます。設定完了後は、スタッフは簡単な操作をするだけでOKです。ロボットが指定された箇所に移動して業務をおこないます。

ロボットは、一度認識した配膳ルートや待機位置を間違えることはありません。しかし、テーブルや椅子などのレイアウトを変更した場合、ロボットが迷ってしまうことがあります。また、走行ルートの途中に障害物があると、その手前で止まってしまうことも。このようなケースを想定して、通路にどのくらい余裕を持たせるかなどの細かい調整をお手伝いしています。

株式会社DFA Robotics インタビュー記事

ーー導入後のサポート体制を教えてください。

五十嵐さん:画面がつかなくなるなどの技術的なトラブルは、遠隔操作で対応可能です。修理が必要な場合は、日本全国どこでも部品を持ってすぐに駆けつけます。2,000人規模の複数企業と提携しているため、北海道から沖縄まで遠隔地のお客様でも迅速に対応できます。

レンタルでロボット活用の可能性を広めたい

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ーーロボットはどのように導入されることが多いのでしょうか。

五十嵐さん:一括購入のほか、5年か3年のリースで導入するお客様がほとんどです。サービスロボットはコスト面で導入のハードルが高いというイメージが強いです。そのハードルを下げ、より多くの事業者様に導入いただくために、毎年繁忙期のシーズンに3年レンタルのキャンペーンを実施しています。人手不足などの対策として導入を検討される事業者様に、試していただきたいですね。

ーー短期レンタルについてはいかがですか。

五十嵐さん:うれしいことに「イベントで1日だけ使いたい」「結婚式で利用したい」と短期レンタルでのお問い合わせも多くいただいています。さまざまなニーズがあることを実感していますが、現状ではロボット設置の料金設定など、運用面での課題があり、対応が難しい状況です。柔軟にサービスを提供できるよう、検討を重ねていきます。

ーー今後のロボット活用についてお聞かせください。

五十嵐さん:新しい分野での活用がだんだん広がっています。たとえば、配膳用の小型アザラシロボット『KEENON T8』の取り扱いを始めたことで、小規模店舗にも導入してもらえるようになりました。なお『KEENON T8』のアザラシ顔と音声は、弊社のオリジナルデザインです。

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また、セキュリティドアが付いた『KEENON W3』は、病院ではその日に検体した血液や薬剤の運搬、ホテルではアメニティやルームサービスの配送に活用されています。病院と連携して複数階を移動できるシステムも構築中です。今後は、ホテルのルームサービスをロボットが代替するのが一般的になるかもしれません。

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ーー最後に、SUUTAに期待することを教えてください。

五十嵐さん:これまでは飲食店やホテルのお客様に利用してもらうことが多かったため、SUUTAのレンタルサービスを通じて、ほかの業種の方との接点が生まれるといいなと思っています。利用者の視点から、新たな活用方法を見出してもらえるとうれしいです。

ーー五十嵐さん、ありがとうございました。

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