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2024.08.30
ゆう

液体冷凍技術とは?「凍眠」を使って凍らせた食材、いろいろ食べてみた

急速液体冷凍技術で食材の鮮度をキープしたまま凍らせられる「凍眠」。-30℃に冷やした液体の中に食材を入れることで、短時間で食材を冷凍させられます。有名料理店や飲食チェーン、食品製造業の工場などで活用されています。

そんな「凍眠」を開発した株式会社テクニカンへ取材にうかがう機会があり、冷凍したマグロ、牛肉、牛乳、ゼリーなどを実際に飲食させていただき、一度冷凍したとは思えない美味しさにとても驚きました。

言われなければ冷凍したとは誰も気づかないであろう、食感・鮮度・旨み。その感動をもう一度味わいたいと思い、「凍眠」を使って冷凍させた商品を購入、実食した様子をレポしていきます。

さらに、自宅の冷凍庫に入れて「凍眠」と同様の効果が期待できる「トレジャーボックス」も使ってみましたよ!

「凍眠」で食材が美味しく凍らせられる秘密

そもそも、「凍眠」で鮮度を保ったまま食材を凍らせられるのはなぜなのでしょうか?

 

一般的な冷凍庫では冷たい空気で食材を凍らせるため、冷凍に時間がかかり、食材の中の氷の結晶が膨張し、細胞が傷ついてしまいます。

 

ところが、「凍眠」は空気よりも熱伝導率の高い液体を用いるため、従来よりも素早く食材を凍らせることができます。そのため、氷の結晶が大きくならず、食材の細胞が破壊されません。その結果、解凍したときにドリップ(旨み成分)が出てこないのです。

「凍眠」で2度冷凍と解凍を繰り返した牛肉と鶏肉。ドリップがほとんど出ていない

しかも、食材を凍らせるために使っている液体は、私たちが手指の消毒時などに使用するアルコール。そのため、ランニングコストもかさみません。低温度のアルコールだから、引火しないため安心です。

 

食材の劣化がほとんどないため長期保存が可能で、フードロスの問題にも大きく貢献すると期待されているのです。

「TŌMIN FROZEN」で気になるものを購入!実食!

「凍眠」を使って冷凍させた商品をオンラインで販売している「TŌMIN FROZEN」で気になる商品を購入し、食べて、飲んでみました。ちなみにオンラインの「TŌMIN FROZEN」では、お酒やパン、スイーツ、中華、パスタなど500種類以上の商品を取り扱っています。今回はその中から、生しらす、日本酒、親子丼を頼んでみました。

生しらす

テクニカンの取材時に、おすすめしていただいたものの1つが生しらす。しらすが名産の地域でも生しらすが食べられる日は限られていますから、いつでもどこでも食べられるとなると、生しらす好きにはたまりません。獲ったその場で冷凍させるから、鮮度がそのままとのこと。届いた商品がこちら。

生しらすの透明感がなく、釜揚げしらすのような見た目です。流水で解凍してみます。

溶けるにしたがって、どんどんしらすが透き通ってきました!不思議です。

袋を開けてお皿に盛ると、こんな感じに。キラキラとしていて綺麗ですね。生しらす特有のコリコリ、ぷりぷり感がそのままです。酢飯にのせて、お醤油をかけていただきました。海辺に行かないと出会えないあの味を自宅で楽しめているのが不思議です。できるだけ低温で冷やしながらじっくり溶かすことで、生臭さも減らせそうです。

日本酒

テクニカンさんの取材時におすすめしていただいた商品の2つ目が、日本酒。一般的な日本酒は長期保存のために一度加熱しているため酵母が死んでしまい、本来の味が損なわれているといいます。それに対して、「凍眠」で凍らせた日本酒は加熱殺菌をしていないから、できたての味が楽しめるそうです。

冷水に5分ほど浸からせて、少し解凍。

溶けた日本酒をグラスに注ぎました。今までに嗅いだことがないぐらい、フルーティーで爽やか。とても芳醇で、飲んだ瞬間に香りが鼻に抜けていきます。しばらくしてまた注いでみると、シャーベット状になった日本酒が出てきました。シャクっと日本酒を食べるという新しい体験。今までにないお酒の楽しみ方ができます。冷酒以上にキンキンに冷えたお酒なので、暑い夏にぴったりです。

親子丼

調理した商品も「凍眠」を使って冷凍すれば美味しさが保たれる、と取材時にご紹介いただいたので、鶏肉専門店の梅やが手掛ける親子丼も注文してみました。

パックに入って届きました。湯煎にかけて溶かしていきます。

解凍後、ご飯にのせてみるとこんな感じになりました。鶏肉専門店の親子丼というだけあり、鶏肉がぷりぷりしていて美味しい。冷凍したとは思えないほどの弾力です。卵がポロポロなので、しっとりした親子丼が好きな方は卵を足してみるとよさそうです。味のバランスがよく、ペロリと食べてしまいました。

「凍眠」と近い効果が期待できるトレジャーボックスとは?

「凍眠」が家庭用にもあればよいのに…。そんな要望に応えてくれる商品「トレジャーボックス」を実際に使ってみました。こちらも「TŌMIN FROZEN」で購入。

保冷剤のパックのようなものが4つ入っています。中に「凍眠」と同様、液体が入っており、この間に食材を挟むことでより早く食材を凍らせられるため、食材の鮮度を高く保てるそう。

 

実際にハンバーグのタネを凍らせて、従来の冷凍の様子と比較してみました。

凍らせる

作ったハンバーグのタネを挟みます。まんべんなく凍るように、薄めにしました。3時間後、冷凍庫を開けて確認してみると、トレジャーボックスに挟んだハンバーグのタネはカチコチに。一方、冷凍庫にただ入れただけのハンバーグのタネはまだ指が刺さるほど柔らかい状態でした。

取り出してみる

左がトレジャーボックスに挟んだもの、右が普通に冷凍したものです。ドリップ量が違うのがおわかりいただけると思います。トレジャーボックスに挟んだものはあまりドリップが出ていませんね。

焼いてみる

焼いてみてさらにびっくり。両方を焼いたときの油の飛び散り方が違うのです。トレジャーボックスに挟んだ方は、水分が少ないから油が飛び散りません。

普通に凍らせた方の焼き上がった様子がこちら。焼いている途中にポロポロと崩れ、少し形が悪くなってしまいました。水分が抜けたので、パサパサした見た目をしています。

こちらがトレジャーボックスに挟んだ方です。肉汁がキラキラと輝いています!とめどなく肉汁が溢れてきます。形も崩れていません。ドリップが出なかった分、ハンバーグの中に水分がしっかりと閉じ込められていたんですね……!

食べてみる

実際に食べてみると、普通に凍らせた方はパサパサしていて、口に入れた瞬間バラバラになってしまったのに対し、トレジャーボックスに挟んだ方はしっとり・しっかりした食感のままでした。肉感も残っており、作りたてと違いが少ない印象。小学生の息子も冷凍とは気づかず、パクパク食べていました。ここまで違いがあるとはびっくり。これから色々な食材を挟んで試してみようと思います。

「凍眠」を自宅に置きたくなりました

「凍眠」で凍らせた商品を実際に食べて、飲んでみて、また、「凍眠」をアレンジしたトレジャーボックスを使って、改めて急速冷凍技術のすごさを目の当たりにしました。

しらすも鶏肉もぷりぷり。日本酒はいまだかつて体験したことのないよい香り。

さらに、自宅の冷凍庫でも、急速冷凍技術を利用したトレジャーボックスを使えば美味しく食材を凍らせられることがわかりました。

飲食店や食品製造業者で使われている「凍眠」ですが、自宅にあったら料理の幅が広がり、捨てる食材が激減しそうです。

 

SUUTAでは「凍眠」の実機のほか、トレジャーボックス内臓の冷凍ストッカーのレンタルも可能なので、自宅で「凍眠」の実力を試せます。気になる方はぜひレンタルで一度使ってみてくださいね。

SUUTAで液体凍結「凍眠」をレンタルする

テクニカンさんを取材した記事はこちら

急速冷結技術で、飲食業界に革新を。一番鮮度の高い状態を保つ「凍眠」

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