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2024.07.18
SUUTAマガジン編集部

飲食店を開業するときに必要な手続きは?業態ごとに必要な設備もご紹介!

飲食店を開業するときに必要なものは設備や備品、什器だけでなく、営業を開始するための許可証も必要です。
手続きの流れから必要な資格と取得方法をこの記事では解説していきます。
また、記事最後には業種ごとに必要な設備・備品・什器などをまとめているので、開業準備をしている方はチェックしてください。

飲食店開業前にやっておきたい手続き

飲食店を開業する際、必要な手続きとおすすめの流れは以下の通りです。

 

  1. 事業計画・メニュー開発・開業資金の調達
  2. 資格を取得する
  3. 保健所に相談に行く
  4. お店の準備
  5. 書類を提出して申請する

 

1.事業計画・メニュー開発・開業資金の調達

こちらはどの順番で進めても問題ありませんが、並行して進めていくことになるでしょう。

このステップで知っておきたいのは「まだ開業はできない」ということ。開業に必要な手続きは3番と4番にあります。

 

2.資格を取得する

開業する飲食店に合わせて必要な資格を取得していきます。

必要な資格は、以下の2つです。

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者(収容人数が30人以上の場合のみ)

 

キッチンカーや移動式飲食店の場合も営業許可を得ること、食品衛生責任者を置くことが必要なため注意しましょう。

 

3.保健所に相談に行く

資格を取得したら、一度管轄の保健所に事前相談することをおすすめします。

理由は、「5.書類を提出して申請する」の際には、営業設備の配置図面や内装の平面図を提出する必要があり、細かい要件を事前に確認するためです。

確認せずにお店の準備をして、工事のし直しになってしまったら無駄な出費になるため、事前に相談をしましょう。

管轄の保健所は、厚生労働省のホームページから確認ができます。

 

4.お店の準備

保健所に事前相談した内容をもとにお店の準備を進めましょう。

 

5.書類を提出して申請する

保健所への書類の提出が完了し、保健所の検査が完了すれば、飲食店の営業を開始できます。

飲食店開業時に必要な資格とは?

飲食店を開業するときに必要な資格は、以下の2つです。

  • 食品衛生責任者
  • 防火管理者(収容人数が30人以上の場合のみ)

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、カフェや蕎麦屋、イタリアンレストラン、クレープ屋、喫茶店、居酒屋など、飲食店であれば必ず必要な資格で、1店舗につき1人以上置くのがルールです。

「食品衛生責任者要請講習会」を受講することで資格取得が可能。

受講費は都道府県によって異なりますが、1万円前後です。

また、以下の資格を持っている場合は、受講を受けなくても食品衛生責任者となることができます。

  • 調理師
  • 製菓衛生士
  • 栄養士
  • 船舶料理士
  • と畜場法に規定する衛生管理責任者
  • と畜場法に規定する作業衛生責任者
  • 食鳥処理衛生管理者
  • 食品衛生管理者又は食品衛生監視員の資格要件を満たす者

防火管理者

防火管理者は、店舗に収容できる人数が30人以上の場合のみ、消防署に提出する必要があります。

「30人以上」というのは、お客さんだけでなく、従業員も含めた人数となるので注意しましょう。

管轄の消防署で行われる防火管理者講習を受講すると防火管理者となることができます。費用は1万円ほど。

業種によって必要な許可が異なる

「食品衛生責任者」の設置とは別に、業種や販売方法によって必要になる営業許可があります。

例えば、お菓子やケーキなどを製造する営業であれば「菓子製造業」、アイスクリームなら「アイスクリーム類製造業」の営業許可が必要です。

製造・販売だけでなく、食品を調理して飲食してもらう店舗であれば「飲食店営業許可」も必要になります。

自身の店舗を開業する前、さらには内装設計や工事を進める前に、必要な許可が何かを必ず保健所に事前相談するようにしましょう。管轄の保健所は厚生労働省のホームページから探せます。

営業許可に関する情報は、同じく厚生労働省のホームページでも確認ができます。

移動販売・キッチンカーの場合に必要な営業許可とは?

自動車に施設を搭載して移動しながら食品の調理や販売の営業をするのであれば、「飲食店営業(自動車)」の業種となります。

店舗での営業同様に、キッチンカーでも営業許可の取得が必要。

また、営業許可の申請は、仕込み場所や自動車の保管場所、申請者の住所などによって異なるため注意しましょう。

こちらも合わせて、まずは自身の住所の管轄の保健所へ相談することをおすすめします。

管轄の保健所は厚生労働省のホームページ掲載されています。

調理師免許がなくても飲食店の開業はできる

調理師免許は、調理技術や食に関する専門技術を持っていることを証明するためのものであり、飲食店の開業には必要ありません。

開業後にも調理師免許は必要ないため、調理師免許を持っていないからといって飲食店開業を諦めることはないです。

調理師免許を持っている場合は食品衛生責任者となれるため、開業のために「食品衛生責任者要請講習会」の受講はいりません。

テイクアウト専門とイートインスペースありで許可は異なる?

イートインスペースのないテイクアウト専門店でも飲食店営業許可を取得する必要があります。

食品衛生責任者の設置も必要となるので注意しましょう。

また菓子類の製造なら菓子製造業、アイスクリーム類ならアイスクリーム類製造業など、取得する許可証が異なる点も注意が必要です。

酒類を提供する場合の許可

「飲食店営業許可」を取得すれば、午前0時までは酒類の提供が可能で、ほかに許可を得る必要はありません。

しかし、以下3点に該当する場合は、「飲食店営業許可」に加えて取得すべき許可や免許があるので注意しましょう。

  • テイクアウトで酒類を販売
  • 午前0時から日の出までの時間帯に酒類を提供
  • 接待サービスを主体とする

テイクアウトで酒類を販売

テイクアウトで酒類を販売するのであれば「一般酒類小売業免許」の取得が必要となります。例えば、酒販店やコンビニなどは取得して酒類を販売しています。

店舗を構えずにインターネットやカタログによって販売するのであれば、「通信販売酒類小売業免許」となるので注意してください。

酒類販売に関する質問は税務署で受け付けているので、管轄の税務署へ飲食店開業の前に相談することをおすすめします。

午前0時から日の出までの時間帯に酒類を提供

深夜の時間帯(午前0時から日の出)に酒類を提供する場合、「深夜酒類提供飲食店営業」の届出書を提出する必要があります。

社会通念上、主食と認められる食事(米飯類、パン、麺類、ピザパイ、お好み焼き等)を提供する営業が常態となっているお店は届け出は必要ありません(参照:京都府警察/飲食店営業を営む皆さんへ

様式一覧は警視庁のホームページからダウンロードできるので、記載して管轄の警察署に提出しましょう。

接待サービスを主体とする

接待サービスをメインとするお店の場合は、風営法により「風俗営業」の許可を取得する必要があります。

「深夜酒類提供飲食店営業」の届け出を提出している場合、接待サービスは提供できないため「風俗営業許可」を取得することができません。

細かいルールや要件が決まっており、風営法では第四十九条において無許可で営業をした場合、「二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」となっているため、まずは警視庁のホームページを確認してください。

わからないことは、事前に弁護士や行政書士に確認を取ったうえで開業の準備を進めることをおすすめします。

飲食店開業時の申請手続きと流れ

飲食店を開業するときに必要な申請と手続きは以下の手順で進めていきます。

  1. 保健所に事前相談
  2. 食品衛生責任者、防火管理者の資格取得
  3. 飲食店営業許可の申請
  4. 保健所による立入検査
  5. 飲食店営業許可証の取得
  6. 防火管理者の届け出を提出
  7. 飲食店の営業開始

1.保健所に事前相談

飲食店を開業する前、ひいては準備を進める前に管轄の保健所に事前相談するのがおすすめです。

理由は、許可証を取得できない内容で準備を進めてしまっては、追加で費用が発生したり、手間がかかったりするためです。

厚生労働省のホームページから管轄の保健所を調べて、電話で事前相談について問い合わせてみてください。

 

事前相談の際は、以下のポイントをチェックすると申請から許可証取得までスムーズに進みます。その他気になる点も保健所に相談しましょう。

  • 営業許可証の取得に必要な資格
  • 取得するべき許可証
  • 店舗の立入検査で重視されるポイント
  • 必要な書類
  • 営業開始までの流れ

2.食品衛生責任者、防火管理者の資格取得

飲食営業許可書の取得する大前提として、食品衛生責任者を1店舗につき1人設置する必要があります。

開業時に自身のみで営業を行うのであれば、食品衛生責任者の資格を取得しましょう。

管轄の都道府県が行っている食品衛生責任者資格の講習(約1万円)を修了すれば取得が可能です。

 

防火管理者は、店舗の収容人数が30人以上(スタッフ含めて)である場合に必要となります。

管轄の都道府県知事や消防本部及び消防署を置く市町村の消防長が行う講習(約1万円)を修了すると取得ができます。

事前に収容人数が30人以上とわかるのであれば、取得しておきましょう。

3.飲食店営業許可の申請

事前相談のうえ不明点を解消し、必要な資格を取得したら書類を用意して提出します。

必要な書類は以下5点(法人の場合は6点)。

  • 営業許可申請書
  • 施設の構造及び設備を示す図面
  • 食品衛生責任者の資格を証明するもの
  • 水質検査成績書
  • 許可申請手数料
  • 登記事項証明書(法人のみ)

参照:東京都保健医療局

 

営業許可申請書」は、都道府県や市区町村のホームページで書式がダウンロードできます。

「飲食店営業許可申請書 神奈川県」などで検索すると表示されます。

 

施設の構造及び設備を示す図面」は、着工前に施工業者に問い合わせて取得します。

着工後に不備が発覚すると、工事費用がプラスで発生することもあるため注意しましょう。

 

食品衛生責任者の資格を証明するもの」は、取得した食品衛生責任者手帳を提出すれば問題ありません。

 

水質検査成績書」は、建物の管理者や不動産業者に問い合わせて取得します。

取得ができない場合は、専門の検査機関に調査依頼をする必要もあるので、余裕を持って準備するようにしましょう。

 

許可申請手数料」は、地域によって金額が異なるため、事前相談の際に聞いておくのがよいでしょう。

相場としては2万円ほどです。

 

法人が飲食店営業許可を取得する場合のみ、会社の「登記事項証明書」を法務局より取得して提出します。

4.保健所による立入検査

申請書類の提出が完了したら次は保健所による立入検査です。

不備がある場合は、改善してから再検査となるため、開業までに時間がかかってしまいます。事前相談のときに要件や注意点をよく確認して準備すると良いでしょう。

5.飲食店営業許可証の取得

検査が完了すると営業許可証が交付されます。

交付された許可証は店舗の見える位置に掲示しましょう。

6.防火管理者の届け出を提出

店舗の収容人数が30人以上の場合は、防火管理者の設置が必須となります。

営業開始までに管轄の管轄消防署又は消防出張所へ「防火・防災管理者選任(解任)届出書」を提出してください。

7.飲食店の営業開始

ここまでの手続きが完了したら飲食店の営業を開始できます。

飲食店営業許可の有効期限と更新

飲食店営業許可には有効期限が設定されており、5~8年となります。

更新の1か月ほど前に保健所から郵送で案内が送られてくるため、更新手続きをしてください。

 

更新の際には、管轄する地域によって異なりますが、以下の書類が必要となります。

 

  • 施設の構造および設備を示す図面
  • 水質検査成績書
  • 営業許可申請手数料
  • 食品衛生責任者の資格を有するもの

 

こちらは「飲食店営業許可」を取得したときに必要だったものと同じになるので、書類の内容を新しくして提出すればよいでしょう。

「食品衛生責任者」には基本的に有効期限がないので更新は必要ありません。しかし、地域によっては講習を受ける必要があるため注意してください。

業種ごとに必要なものリスト

食品衛生責任者配置や営業許可証の申請は共通ですが、飲食店と一言でいってもイタリアンやフレンチ、寿司、焼き肉、ケーキ、カフェなど多種多様なお店があるため、必要となる設備や備品、什器などは異なります。

また、営業許可証を取得する際に保健所検査があるため、厨房機器の選び方には注意が必要。

以下の記事では、業種ごとに開業時必要な設備や什器をまとめているので、自身が開業を目指しているお店をチェックしてみてください。

 

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