キャンプや車中泊、災害時など、電源が限られる場所で活躍するポータブル電源。
多くのメーカーからさまざまなモデルが展開されているため、どれが自分に合うか迷う方も多いでしょう。
今回紹介する「ANKER Solix C300 DC」は、軽量でコンパクトながら、スマホやノートパソコンなど小型機器を快適に充電できます。
この記事では、実際に使ってみた体験をもとに、操作性や使い勝手、メリット・デメリットをレビュー形式で詳しくお伝えしていきます。
INDEX

ANKER Solix C300 DCは、ANKERのポータブル電源シリーズ「Solix」の中で1番軽量で小さいモデル(2025年11月時点)。
コンパクトでありながら、アウトドアシーンや普段の暮らしでしっかり活躍してくれるポータブル電源です。
特に、ACコンセントが不要な環境での使用を想定し、USB-CやUSB-Aポートを中心に設計されているのが特徴です。

実際にANKER Solix C300 DCを使用してみて、特に印象的だった点を3つのポイントをご紹介します。

実際に手に取ってみて、特にいいなと感じたのはそのコンパクトさです。
ANKER Solix C300 DCは約12.4 × 12 × 20 cm、重さは約2.8kgと、バックパックにもすっぽり入るサイズ。
キャンプや車中泊、アウトドアに持ち出すときも荷物にならず、気軽に使えます。
そのコンパクトさから、充電しながらテーブルの隅に置いていても、バッグに入れたままで充電しても邪魔と感じることがありませんでした。
部屋に置いてもさほど存在感がないため、普段は電源タップとして使ってもよさそうです。

ANKER Solix C300 DCには、7つの充電ポートが搭載されています。
この7つのポートでスマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど、複数の機器を同時に充電できます。
特にUSB-Cポートは最大140Wの出力に対応しており、短時間での急速充電が可能。出先でもスムーズに充電できてとても便利でした。
なお、本体はUSB-C 140Wを2つ同時接続することで、最短約1.5時間で100%満充電ができます。

ポータブル電源は、満充電のまま長く放置すると劣化しやすいのが一般的です。
災害時に備える際は数か月ごとにバッテリー残量を確認したり、60〜80%の状態で保管したりするよう推奨されることが多いのです。
その点Anker Solix C300 DCなら、Anker独自のバッテリー保護システムによって、100%満充電のままでも劣化を抑えた保管が可能。ただし、3ヶ月に一度を目安に定期的にバッテリー残量を確認し、100%まで充電した状態で保管する必要があります。
災害時用として備えておきたい方にも扱いやすく、「いざという時に電池が空だった…」という心配も少なくなります。
私自身、アウトドア用だけでなく非常用電源としての利用も考えていたので、満充電での長期間保管はこのモデルの大きな魅力だと感じました。
ここでは、ANKER Solix C300 DCを実際に使って感じたデメリットを3つご紹介します。

ANKER Solix C300 DCにはAC出力ポート(家庭用コンセントと同じポート)がありません。
コンセントを使うタイプの家電が使えないため、AC電源が必要な場合は別のモデルを選びましょう。
私の主な目的はスマートフォンやカメラの充電でしたが、「1つだけでもAC出力ポートが付いていたらもっと便利だなぁ」と物足りなさも感じたのが正直な感想です。

ANKER Solix C300 DCのバッテリー容量は288Whです。
目安として、スマートフォン(約20W)なら約15回の充電が可能ですが、電気毛布(約50W)では5〜6時間程度、小型ヒーター(約200W)なら1時間半ほどでバッテリーが空になります。
電源補助やモバイル機器の充電には十分ですが、消費電力の大きい家電を長時間使うには向いていません。
もし電子レンジや炊飯器などを使いたい場合は、1000Wh以上のモデルを選びましょう。

ANKER Solix C300 DCには充電ケーブルが付属していますが、充電器は付属していません。
本体の充電には18W出力以上に対応したUSB充電器を別途用意する必要があるため、最初に少しだけ費用がかかる点は念頭に置いておきましょう。
なお、シガーソケット用のケーブルも別売りです。
キャンプや車中泊などで、車で充電をしたい場合は車用のシガーソケットを用意する必要があります。
次は、ANKER Solix C300 DCを実際に使って感じたメリットを3つご紹介します。

Anker Solix C300 DCには、本体を充電しながら、同時に別の機器へ電力を供給できる「パススルー機能」が搭載されています。
たとえば、キャンプ中にソーラーパネル(別売り)で本体を充電しつつ、スマートフォンなどの充電を同時に行うことができるのです。
ポータブル電源の中には本体充電中に給電できないものもありますが、この機能があれば電源の入れ替えが不要。
使いながら常に充電しておけるので、アウトドアや停電時でも安心して使えますね。

Anker Solix C300 DCには、Anker独自の技術「InfiniPower(インフィニパワー)」が使われています。
InfiniPowerの特徴は、バッテリーだけでなく、内部パーツや外装まで長く使えるように設計されていること。
安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン電池を使い、熱に強く壊れにくい構造になっています。
メーカーによると、なんと毎日使っても約10年間使える設計とのこと!実際に手に取ってみても、しっかりした作りで「長く使えそうだな」と感じました。
頑丈で、アウトドアシーンでも気兼ねなく使えるポータブル電源を探している人にぴったりの一台といえるでしょう。

Anker Solix C300 DCは、専用のAnkerアプリに対応しており、スマートフォンからさまざまな操作ができます。
BluetoothだけでなくWi-Fi接続にも対応しているため、同じ部屋にいなくても充電や給電の状況を確認したり、残りの使用時間を確認したりできます。

さらに、アプリ上からLEDライトのオン・オフ操作や明るさの調整も可能。夜間のアウトドアや災害時など、手元で操作したいシーンでとても便利です。
シンプルで直感的に使えるアプリなので、初めてでもすぐに操作に慣れることができました。
ポータブル電源と一口に言っても、容量や出力、機能はさまざまです。
用途に合ったものを選ぶために、チェックしておきたいポイントを整理してみましょう。

ポータブル電源を選ぶときは、まず「どんな家電を動かしたいか」を考えましょう。
たとえば、電子レンジやドライヤー、炊飯器、ヒーター、小型冷蔵庫などは、消費電力が高い家電の代表です。
これらを使うには、目安として出力500W〜1000W以上・容量500Wh以上のモデルを選ぶのがおすすめです。
また、出力ポートの種類も重要なポイント。
最近のポータブル電源にはACコンセント・USB-A・USB-C・シガーソケットなど、さまざまなポートが搭載されています。
ノートパソコンやスマホの充電がメインならUSBポート中心のモデルで十分ですが、電子レンジや炊飯器を動かしたい場合はACコンセント対応のものを選びましょう。
電子レンジやドライヤーなど消費電力が高い家電を動かしたいなら
スマホやノートPCの充電がメインなら
「どんな家電をどんな組み合わせで使うか」によって、必要な出力もポートの種類も変わってきます。
購入前に、使いたい家電の消費電力と差し込み口の形状をチェックしておくと失敗がありません。

どんなシーンで使うかによっても、最適な容量や出力は異なります。
たとえば、日帰りキャンプと宿泊を伴うキャンプ、車中泊などでは、必要な電力量がまったく違います。
ポータブル電源の「容量(Wh)」は、
消費電力(W) × 使用時間(h)=必要な電力量(Wh)
でおおよその目安を出すことができます。
使いたい家電の消費電力と使用時間を掛け合わせ、その合計値を基準に選ぶと失敗しにくいでしょう。
主な家電の消費電力の目安
用途別の容量目安
たとえば、BBQや日帰りキャンプでスマホやライトを使う程度なら200〜500Wh前後で十分です。
車中泊や宿泊キャンプで小型冷蔵庫や電気毛布を使う場合は、500Wh以上が目安。
複数の家電を同時に使う、または災害時にも備えたい場合は700Wh〜1000Whクラスを選ぶとより安心です。
自分の使い方を想定し、「どの家電をどれくらいの時間使いたいか」を基準に選びましょう。

ポータブル電源は、容量が大きいほど使える時間も長くなります。
個人的には、迷ったときは少し大きめのモデルを選ぶことをおすすめします。
途中で電力が足りなくなって困ることが無いよう、少し容量に余裕のあるモデルを選んでおくと安心です。
ただし、当然ながら容量が増えると重くなるため、移動手段と持ち運びやすさとのバランスも考慮して選びましょう。
ポータブル電源の選び方をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。

ポータブル電源は、長い期間使用することを前提とする場合は購入を検討する価値がありますが、短期間の利用であればレンタルサービスの利用がおすすめです。
レンタルサービスでは必要な期間だけ借りることができ、保管やメンテナンスの手間も省けます。
| Anker Solix C300 DC Portable Power Station |
Anker Solix C1000 Portable Power Station |
Anker PowerHouse |
ジャクリジャパン Solar Generator 1000 New 100W |
ジャクリジャパン PTB101 |
ブルーティ EB3A |
エコフロー River 2 Pro |
|
| 主な特徴 | 肩がけできる 小型軽量モデル |
大容量モデル | 小型軽量モデル | 大容量モデル | 大容量モデル | 小型軽量モデル | 中容量モデル |
| バッテリー容量 | 288Wh | 1056Wh | 434Wh | 1070Wh | 1002Wh | 268Wh | 768Wh |
| 定格出力 | 300W | 1500W | 120W | 1500W | 1000W | 600W | 800W |
| 充電方法 | USB充電器 / ソーラーパネル / シガーソケット | ACコンセント/ ソーラーパネル/ シガーソケット | ACコンセント/ ソーラーパネル/ シガーソケット | ACコンセント/ ソーラーパネル/ シガーソケット | ACコンセント/ ソーラーパネル/ シガーソケット | ACコンセント/ ソーラーパネル/ シガーソケット | USB充電器 / ACコンセント/ソーラーパネル / シガーソケット |
| コンセント数 | 0 | 6 | 1 | 3 | 3 | 2 | 4 |
| USBポート数 | 6 | 4 | 4 | 3 | 4 | 3 | 4 |
| LEDライト | あり | あり | ― | ― | ― | あり | ― |
| サイズ | 約12.4 × 12.0 × 20.0cm | 約37.6 × 20.5 × 26.7cm | 約20 × 14.5 × 16.5cm | 約32.7 × 22.4 × 24.7cm | 約33.2 × 23.3 × 24.3cm | 約25.5 × 18 × 18.3cm | 約27.0 × 26.0 × 22.6cm |
| 重量 | 約2.8kg | 約12.9kg | 約4.2kg | 約10.8kg | 約10.6kg | 約4.6kg | 約8.25kg |
| レンタル価格(2週間) | 4,400 円 | 6,000 円 | 4,900 円(1ヶ月) | 6,900 円 | 5,800 円 | 4,400 円 | 6,100 円 |
| 詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
※レンタル価格は2025年11月時点
それぞれのモデルに特徴があります。
スマートフォンやノートパソコンの充電がメインなら、小型軽量モデルでも十分と感じる方は多いでしょう。
一方で、キャンプや防災用として使いたい場合は、容量が多めのモデルのほうが安心です。

Anker Solix C300 DCは、コンパクトながら十分な性能を備えたポータブル電源です。
USBポートが6つと充実しており、スマートフォンやノートパソコンの充電、キャンプでの照明など幅広いシーンで活躍します。
軽量で持ち運びやすく、扱いやすいモデルのため「初めてポータブル電源を使ってみたい」という方にもぴったりです。
一方で、AC出力がない点や容量が控えめな点は、人によっては物足りなく感じるかもしれません。
使用したい家電やシーンを考慮したうえで選んでくださいね。
また、購入前に使い心地を試したい場合や、イベント・キャンプなど短期間だけ利用したいときは、レンタルサービスを活用するのもおすすめ。
私は今回、レンタルプラットフォーム「SUUTA」でレンタルをしましたが、気になっていたモデルを実際に試せるうえ、保管やメンテナンスの手間がかからない点がとても便利でした。
SUUTAでは他のポータブル電源もレンタルできるので、使い比べも可能。実際に使ってみて便利だったら、そのまま買い切りもできますよ。
Anker Solix C300 DCが気になっている方は、まずはレンタルで体験してみてはいかがでしょうか。
SUUTA ポータブル電源一覧