自動調理鍋はさまざまなメーカーから商品が出ているので、どの商品が自分に合っているのかを調べるのって大変ですよね。
そこで今回、自動調理鍋の中でも人気・知名度の高いシャープ「ヘルシオ ホットクック」とパナソニック「オートクッカー ビストロ」の2製品を実際に利用し、どちらがおすすめなのか検証しました。
今回は筆者の私だけでなく、「主婦である母」や「グルメ好きの父」の評価も掲載しているので、こちらもぜひ参考にしてみてください!
INDEX
まずは結論。ホットクックとオートクッカーを「味・機能・手入れ・アプリ・使い勝手」の項目で比較検証し、筆者の結論をまとめました。
ホットクック | オートクッカー | |
見た目 | ![]() |
![]() |
味 | 〇 | ◎ |
機能 | ◎ | ◎ |
手入れ | ◎ | △ |
アプリ | 〇 | 〇 |
使い勝手 | 〇 | 〇 |
やはりどちらにも一長一短があり、すべてにおいて万能ということはありませんでした。
ホットクックやオートクッカーを「どのように使いたいか」で選ぶのがよいでしょう。
それぞれの製品がおすすめなのは、以下のような人です。
▼シャープ「ホットクック」がおすすめな人
▼パナソニック「オートクッカー ビストロ」がおすすめな人
続きでは、比較検証の詳細な内容をお伝えしますね!
まずは簡単に両製品の基本情報をおさらいしましょう。
名称 | シャープ「ヘルシオ ホットクック」 |
型番 | KN-HW24G |
量の目安 | 2~6人分 |
サイズ | 幅345mm 奥行305mm 高さ256mm |
重量 | 約5.8kg |
定格消費電力 | 800W |
調理容量 | 2.4L |
満水容量 | 4.7L |
シャープのヘルシオ ホットクックの現行モデルは4製品あります。
それぞれの違いは「何人前まで調理できるか」という容量と、「自動かき混ぜ機能の有無」によって選び方が分かれます。
今回のレビューでは、「自動かき混ぜ機能付き」「最大6人前まで調理可能」に対応した最もパワフルなホットクック(型番:KN-HW24G)を使って検証を行います。
このホットクックについては以下のレビュー記事で詳しく解説しました。ぜひご覧ください。
シャープ/SHARP ヘルシオ ホットクック ホワイト系 KN-HW24G
名称 | パナソニック「オートクッカー ビストロ」 |
型番 | NF-AC1000 |
量の目安 | おおよそ2~6人分 |
サイズ | 幅333mm 奥行き336mm 高さ260mm |
重量 | 約8.2kg |
定格消費電力 | 1290W |
調理容量 | 2.4L |
満水容量 | 4.7L |
パナソニックのオートクッカー ビストロは主に2種類の現行製品があり、違いは圧力機能の有無です。
今回の検証では、圧力機能の搭載し、約2~6人分を調理ができる製品(型番:NF-AC1000)で検証を行います。
パナソニック/Panasonic 自動調理鍋 オートクッカー ビストロ ブラック NF-AC1000
まずはシャープのホットクックでさまざまな料理を作って検証していきます。
▼ホットクックの検証結果
ホットクックでは以下の料理を作りました。
▼作った料理
など
ホットクックで作る料理は、どれも家庭的で落ち着いた味わいに感じられましたが、レシピによって当たり外れが多い印象です。
今回の検証で作成したレシピは、主に公式レシピ「COCORO KITCHEN(ココロキッチン)」を使用しています。
まず肉じゃがは、全体的にかなり具材が柔らかい仕上がりに。
味は具材がほぐれていることもあってか、中までしっかりとしみ込んでいて美味しかったです。
やや煮崩れしすぎていることもあったので、父からは「見た目があまりよくない」との厳しい感想も。
公式レシピ通り「豚の角煮」を作ってみたのですが、両親の評価は微妙でした。
色づきが薄く脂身も柔らかすぎるため、両親の口には合わなかったみたいです。
脂身も好きな筆者としては結構美味しいなと思い食べていたのですが、確かに「豚の角煮」というよりは「豚チャーシュー」っぽいなという印象が強く残ったレシピでした。
ビーフシチューは仕上がりもよく、家族全員美味しくいただけました。
具材も柔らかくできているのですが、本音を言ってしまうと良くも悪くもすごく普通な仕上がり。
後述していますが、パナソニックのオートクッカーと比べると味の深みという点においては完敗です。
ここまでやや味の評価が微妙なホットクックですが、その他につくったメニューはどれも当たりで、非常においしかったです!
ホットクックはレシピによっての当たり外れが大きく、たとえ外れのレシピだったとしても自分なりに多少アレンジすれば美味しくいただけます。
ポトフ
鶏モモチャーシュー
ホットクックでは他にもいろいろな料理を作って試しましたが、簡単においしくできるレシピがいろいろあり、バランスの良い食事を取り入れるのにもぴったりでした。
ポトフ、鶏モモチャーシューについては以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
ホットクックには一度に二つの料理を調理できる「二段調理」機能があり、これはパナソニックのオートクッカーにはない機能です。
今回はお味噌汁と豚野菜炒めを作ってみました。
二段調理だからといって仕上がりに劣る点は一切なく、とても美味しくいただけました!
美味しさはもちろんですが、何より一度に二品同時に料理できるのがありがたく、ごはんや冷凍野菜などを追加すれば立派な晩御飯の完成です。
毎日家族の晩御飯を作る主婦の方々にとって、二段調理はとてもありがたい機能でしょう。
なお、なぜか二段調理には公式レシピがほぼ存在しないので、レシピや具材はYouTubeや料理サイトを確認するのがおすすめです。
ホットクックを構成するパーツは4~6パーツと少なくはありませんが、手入れは思いのほか大変ではありません。
しっかり洗う必要のあるものは内鍋と混ぜ技ユニットくらいで、混ぜ技ユニットはレシピによっては使わないこともあります。
内鍋は汚れが取れやすく重量も軽い素材なので、洗っていて「楽だな〜」と感じていました。
フタについた水蒸気を受け止めるカバーも取り外して洗うことができるので、細かいパーツも衛生的に保つことができて気持ちがいいです。
見た目やパーツの多さから想像する以上にお手入れがしやすく、手軽さの面ではかなり高く評価できます。
ホットクック専用アプリは直感的に使いやすく、不満を感じることはほとんどありません。
毎日更新されるレシピランキングは見ているだけで楽しいですし、「作り置き」「ヘルシー」などの条件で簡単に探せる検索機能も重宝します。
ホットクックはマグネット式コンセントを採用しているので、万が一足をコードに引っ掛けた際、ホットクック本体ごとひっくり返るような事故が起こる可能性は低いです。
細かい点ではあるものの、毎日の使用を考えると結構大きな長所だなと感じます。
またホットクックの蓋は勝手に閉まらず、自動で持ち上がるようになっているのも便利でした。
このおかげで内鍋やその他パーツをセットしているときに、蓋で指を挟んでしまうこともなく安心して作業が行えました。
シャープ/SHARP ヘルシオ ホットクック ホワイト系 KN-HW24G
今度はパナソニックのオートクッカーを使います。
最初に検証したホットクックとの比較も交えて検証を行いましょう。
▼オートクッカーの検証結果
オートクッカーでは以下の料理を作りました。
▼作った料理
など
オートクッカーで作った料理の味はどれも深みがあり、自宅で作ったとは思えない本格的な仕上がりでした。
まず肉じゃがですが、ホットクックのように具材がつぶれることもなく、具材個々の形がしっかり残っています。
表面はしっかり味付けされていて、噛むと中から素材の旨みがじんわり広がり、二重の美味しさを楽しめました。
肉じゃがに関しては私と父がオートクッカー派、母はホットクック派と好みが分かれたこともあり、どちらも甲乙つけがたい結果に。
角煮に関してはオートクッカーの圧勝で、家族全員オートクッカーが好みの結果となりました。
色づきがとてもよく、焦げ目もほどよくついていて「これぞ角煮」という見た目です。
味に関してもしっかり濃い味が染みていてめちゃくちゃ美味しかったです。
ホットクックの角煮は脂身がきつかったと言っていた両親も、オートクッカーの角煮は脂身も身がしっかりしまっていて味わうことができ、しかも美味しいと絶賛していました。
比較的薄味が好みの母も「美味しい」と言っていたので、角煮に関してはオートクッカーが圧勝と言っていいでしょう。
続いて、オートクッカー公式レシピでビーフシチューを作ってみたのですが、1回目は調理に失敗してしまいました。
水分が明らかに足りておらず、ビーフシチューとは思えない出来上がりに・・・。
これをビーフシチューと呼ぶのは苦しく、両親も微妙な反応でした。
(レシピ通りに入れたと思うのですが、もしかすると筆者が分量を間違えてしまった説もあります)
その後、今度は公式レシピよりも水分をかなり多めにして再度ビーフシチューに挑戦。
今度は上手に調理でき、とても美味しく仕上がりました。
自宅で作ったかとは思えないほど本格的で、本当に味わい深かったです。
総合的に見て、オートクッカーで作る料理はどれも深みがあり、ホットクックよりもクオリティが数段上を行っているように感じました。
オートクッカーにはホットクックのように二段調理といった機能はありません。一方で、「圧力調理」という唯一無二の機能があります。
ホットクックと味を比べてみると、公式レシピの差こそあるものの、やはり決定的な違いは「圧力調理」機能の有無だと実感しました。
ただし、その分電力を多めに消費するのか、ホットクックに比べるとワット数は大きくなっています。
味の美味しさだけを見ると「オートクッカーで決まり」と思いがちですが、実際に使ってみるとお手入れのしやすさでは少し不便さを感じました。
内鍋が重いので洗うのがやや大変ですし、中央の盛り上がり部分の汚れも取りにくく、歯ブラシを使って汚れを落とさないといけないシーンもありました。
圧力機能を搭載しているためか細かなパーツもあり、パッキンなども汚れや洗剤の泡を落とすのが手間に感じることも多かったです。
ホットクックと比べると分解できるパーツが少ない分、一見手入れも楽に思えるかもしれませんがそんなことはなく、むしろ汚れが気になるパーツもちゃんと分解して洗えるホットクックのほうが印象はいいですね。
ホットクックは「洗うのが楽だ」と感じていた反面、オートクッカーは「洗うのが大変だな・・・」と対照的な結果になりました。
なお、洗い物を一緒に手伝ってくれていた母も「細かい所の汚れや泡が落としづらい」と、オートクッカーの手入れのしにくさには困っていました。
レシピが美味しかったかどうかだけでなく、「水分を多めに作るといい感じにできました」といった口コミもすごく参考になるので、このレシピの口コミが見られる機能は素晴らしいなと思いました。
各レシピページでは作りたい人数分を指定でき、人数にあった分量に変更してくれるのも親切でありがたかったです。
オートクッカーは調理を開始する前に、操作パネルで「羽根をセットしましたか?」といった確認をしてくれるのが親切です。
料理によって羽根(かき混ぜユニット)を使う・使わないが異なるので、羽根をつけ忘れてしまいそうな場面はよくあり、この確認をしてくれるのはとてもありがたいんですよね。
注意点として、鍋と蓋の間に指をはさまないようには気を付けましょう。
オートクッカーは蓋が自動で持ち上がらないので、ガシャンと閉まってしまう恐れがあります。
扱いには気を付け、怪我や破損のないようにしましょう。
パナソニック/Panasonic 自動調理鍋 オートクッカー ビストロ ブラック NF-AC1000
ホットクック | オートクッカー | |
見た目 | ![]() |
![]() |
味 | 〇 | ◎ |
機能 | ◎ | ◎ |
手入れ | ◎ | △ |
アプリ | 〇 | 〇 |
使い勝手 | 〇 | 〇 |
冒頭にも掲載した表を改めて振り返りつつ、ホットクックとオートクッカーはそれぞれどんな人におすすめなのか解説します。
シャープのホットクックは味のクオリティ面ではオートクッカーにはかなわないものの、手軽さが魅力的な製品です。
二段調理で一度で二品料理を作れ、後片付けも比較的ラクです。
味についてもオートクッカーと比較すると劣りはするものの、何度もリピートしたくなる美味しいレシピもありますし、レシピにこだわらず自分好みの味付けにアレンジをしてしまえば最高の食事が楽しめます。
どちらかの自動調理鍋を選ぶとしたら、手軽に料理ができ、そこそこ美味しい料理のできるホットクックを私は選びます。
一緒に後片付けをする機会の多かった母も、ホットクックのほうが好きなようです。
シャープ/SHARP ヘルシオ ホットクック ホワイト系 KN-HW24G
とにかく料理のクオリティを最優先したい方には、パナソニックのオートクッカーをおすすめします。
ホットクックも十分美味しいのですが、豚の角煮やビーフシチューといった圧力調理が必要な料理では、オートクッカーの完成度が際立ちます。
また、公式レシピの口コミ機能を活用すれば、評価の高いレシピを探してさらに美味しさを追求できるのも魅力です。
ただし後片付けに関してはホットクックより手間がかかるため、調理後のひと手間を惜しまない方に向いているといえます。
ちなみに、後片付けを担当しなかった父は「ホットクックよりオートクッカーのほうがよい」と評価していました。
パナソニック/Panasonic 自動調理鍋 オートクッカー ビストロ ブラック NF-AC1000
ホットクックもオートクッカーも、それぞれに大きな魅力がありますが、気になった方は購入前に一度レンタルで試してみるのがおすすめです。
実は筆者も、最初は味の美味しい「オートクッカー派」でした。
しかし、使い続けていくうちに手軽さに惹かれ、いまではすっかり「ホットクック派」になっています。
このように実際に使ってみないと自分に合うかどうかは分からないこともあるので、迷っている方はレンタルを検討してみてはいかがでしょうか。
SUUTAではホットクックやオートクッカーなどの自動調理鍋をレンタルできるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。