旅行に欠かせないスーツケース。種類、デザイン、容量が豊富にあり、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いのでは?“大は小を兼ねる”とはよく言いますが、スーツケースに関しては必ずしもそれがベストとは言えないようです。また、大きさによっては購入よりもレンタルがお得なことも。
そこで今回は、旅行スタイルに合わせたスーツケースの選び方や、旅好きライターが伝授する、パッキングの“コツ”を紹介します。
国内外のさまざまなメーカー、ブランドが展開するスーツケース。価格、サイズ、デザインも豊富で、旅行気分を盛り上げてくれますよね。
でも、その豊富さゆえに、どれを選ぶのがベストなのか迷ってしまう人も多いようです。スーツケース選びで失敗しないための最大のポイントは“サイズ選び”。その目安になるのが宿泊日数×10Lの法則です。
スーツケースのサイズ選びは、宿泊日数をベースにするとわかりやすいでしょう。1泊あたり10Lで計算した場合の一般的なスーツケースのサイズは次の通り。
1〜3泊
容量:〜39L
サイズ:3辺合計:〜115cm
3泊までの旅行には、いわゆる“Sサイズ”と呼ばれる機内持ち込みOKなサイズのスーツケースがおすすめです。国内旅行をはじめ、韓国、台湾など短期で行くことができる近場の国・地域への海外旅行にもぴったりです。
3〜5泊
容量:40〜69L
サイズ:3辺合計131〜139cm
3泊以上になる場合は、当然のことながら着替えやスキンケア用品など日数分だけ増えることになるので、40L以上のサイズが安心です。また、1〜3泊でも旅行時期が冬の場合は、かさばるセーターやアウターが必要になるので、40L以上がベストな場合も。
5〜10泊
容量:70〜89L
サイズ:3辺合計144〜155cm
ヨーロッパやアメリカ、オセアニアなど、1週間以上の旅行に出かけるときは、70L以上のスーツケースが最適です。特にヨーロッパは石畳の道が多く、4輪キャスター付きで安定感があるタイプがおすすめ。
スーツケースは日数を目安に選ぶのがベストであることはわかったけれど、すべてのサイズをそろえるのは合理的ではありません。例えば、国内旅行や実家への帰省、出張など、使用頻度が高いSサイズのスーツケースは購入して手元に置き、それ以上のサイズはレンタルをする方法があります。
バカンスシーズンを避けた遅い夏休みを南フランスで過ごすことに決めたわたしは、約10日間の旅のお供に、69Lのスーツケースをレンタルすることにしました。
わたしが持っているスーツケースは機内持ち込みSサイズと50Lの2つ。10日間の旅行には少し心許ないというのが本音。普段、比較的荷物が少ない方ですが、南フランスに行くからには本場・マルセイユ石鹸やオリーブオイル、ハーブ、スイーツをたくさん買いたいので、余裕を持って69Lのスーツケースをレンタルすることにしました。ブランドは信頼と実績の「サムソナイト(Samsonite)」をチョイス。
創業1910年のサムソナイトは、100年以上続くアメリカ発祥のスーツケースブランドです。頑丈で耐久性のあるスーツケースづくりにこだわり続け、独自の素材開発などにも積極的に取り組み、スーツケースでは世界シェアNo.1を誇ります。
今回、わたしがサムソナイトの 「シーライト スピナー69」を選んだ一番の理由は“軽さ”です。ハードケースでありながら重量はわずか2.5kg!これなら重量をあまり気にせずパッキングができ、帰りのお土産もたっぷり持ち帰ることができます。
とはいえ、いくら容量に余裕があるからといって、必要以上のものを入れてはあっという間に重量オーバーになってしまいます。オーバーすると高額の追加料金が発生するので、預けるときのスーツケースの重さは必ず把握しておくようにしましょう。
次では、旅の持ち物リスト、パッキングのコツを紹介します。
パッキングを始める前にまず、持ち物リストを書き出しましょう。書き出すことで忘れ物防止になり、必要か不必要かを冷静にジャッジすることができます。
わたしが訪れるのは9月の南フランス。10日間の荷物は次の通り。
【衣類】
ガイドブックによると9月の南フランスはまだ夏の日差しが残り、日中の平均気温は26℃を超えるとのこと。基本的に服装は日本の夏と同じで問題ないようですが、朝夕の寒暖差が大きいので羽織るものを持っていくことにしました。
10日間の旅行の割に持参する服が少ないのは、現地で洗濯することを前提にしているからです。Tシャツや下着類などはホテルのバスルームで洗ったり、コインランドリーを利用。旅先で洗濯をすることで持参する衣類が減り、その分荷物も軽くなりますよ。
【化粧品・スキンケア用品・洗濯グッズ】
化粧品やスキンケア用品は、普段使っているものを持っていくのが安心ですが、すべて持っていくのは小分けにするのが面倒だしかさばるので、シャンプーやトリートメント、ボディソープはホテル備え付けのものを使います。こだわりのある方はトラベルキットを持参すると良いでしょう。
ちなみに、ドライヤーはホテルの備品を使います。よく、海外のホテルにはないと言われますが、部屋に備え付けがない場合はフロントに言えば貸してもらえることがほとんどです。
なお、国際線では機内に持ち込める液体に制限があります。機内に持ち込む液体物は、100ml以下の容器に入れ、まとめて容量1L以下(縦横20cm以下)のジッパー付き透明袋に入れるのを忘れずに。
【ガジェット類】
地図や翻訳、写真・動画の撮影、さらにはキャッシュレス決済まで1台で担うスマホは、今や海外旅行の必須アイテム。バッテリー切れを避けるためにもモバイルバッテリーは必ず持参するようにしましょう。
ただし、モバイルバッテリーは容量によっては機内預け荷物に入れることができないので、機内持ち込み用のバッグに必ず入れます。また、iPadやPC、一眼レフカメラなどの精密機器も機内持ち込みにするのが安心です。
いくらスーツケース本体が軽く、容量がたっぷりでも、当然ながら荷物が多いとその分重くなります。旅先での移動を考えるなら旅の持ち物はミニマムかつ、コンパクトにまとめるのがパッキングのコツ。往路はスーツケースの片側のみの“片面収納”にすれば、帰国時に荷物が増えても安心です。気持ちにも余裕が生まれます。
パッキングで最も場所を取るのが衣類です。衣類をどれだけコンパクトに収納できるかで、パッキングの良し悪しは決まると言っても過言ではありません。そこでおすすめなのが、「圧縮袋」です。トラベル用ポーチのような仕様になっており、中央のファスナーを閉めるだけで圧縮することができます。セパレート構造なので、使用済みの衣類と分けて収納することも可能。
ポーチタイプの他、自分で空気を抜くタイプなど、圧縮袋にはさまざまタイプがあります。わたしの場合はスーツケースで旅をする場合はポーチタイプの圧縮袋、バックパックのときは衣類を入れてくるくる巻いて空気を抜く圧縮袋と使い分けています。旅のスタイルに合わせて選んでくださいね。
旅は普段履き慣れている靴で行くのがマストです。ヒール付きのパンプスやサンダルは避け、スニーカーやスリッポンなど歩きやすい靴を選びましょう。
もし、現地で履く靴を複数持っていくなら、シャワーキャップに片方ずつ入れます。靴底の汚れが他の荷物に着くこともなく、ビニール袋に入れるよりもかさばりませんよ。
かさを減らしてミニマムにまとめるのが片面収納のコツですが、隙間があると荷物が動いてしまい、割れやすいモノは破損してしまうかもしれません。往路の片面収納でも、お土産を入れた復路の両面収納でも、スーツケース内にできるだけ隙間を作らないようにすることで、破損を防ぐことができます。
隙間が気になる時は衣類を圧縮せず、緩衝材のように隙間に衣類を入れると良いでしょう。また、お皿などの陶器類などは衣類に包んで梱包するようにしましょう。
最近では大型サイズでもリーズナブルなタイプが増えているスーツケースですが、安さだけで選ぶと思いがけないトラブルに見舞われることがあるので注意が必要です。安価なスーツケースで最も多いトラブルはキャスターの破損。安価なモデルはゴム製のキャスターを使用していることが多く、劣化でタイヤが割れたり、使っているうちにキャスターごと本体から取れてしまうなんてことも。
かといって、ハイエンドモデルのスーツケースを年に1回程度の海外旅行のために大枚を叩いて買うのはコスパが良いとは言えません。レンタルなら、耐衝撃性と軽量性、デザイン性に優れたハイエンドモデルのスーツケースをお得に借りられます。
また、いつもは帰国後の荷物の整理整頓が進まないことが多いわたしですが、レンタルの場合、返却期間があるのでテキパキと旅の後片付けができたことも大きなメリットでした。
今回、スーツケースをはじめてレンタルしたことで、スーツケースの保管場所の確保も不要なレンタルは、大型であればあるほどお得ということがわかりました。
使用頻度が高いサイズのスーツケースは購入し、年に数回の海外旅行にはレンタルを。旅のスタイルに合わせてフレキシブルに選択するのが、賢い旅のテクニックと言えそうです。
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