Apple Vision Proは、Apple初のVRゴーグル。
空間を自由に操作しているような操作性や、VR映像の収録など、今までにない新しい体験ができ、一度は使ってみたいデバイスの1つです。
画質の良さや高い操作性などが評価されている一方、価格の高さや本体の重さなど、個人で購入するにはハードルもあり、購入はあきらめているという方も多いのではないでしょうか。
筆者が使ってみて感じたのは、購入は難しくても「Apple Vision Proを使わずにいるのはもったいない」ということ。
Apple Vision Proをレビューしながら、一度は使ってみたい魅力や、買うにあたって知っておきたいデメリットについて紹介していきます。
INDEX
販売価格 | 599,800円(256GB)/634,800円(512GB)/669,800円(1TB) |
レンタル価格(7日間目安) | 60,000円~ |
大きさ | 165 × 100 × 220mm |
重さ | 600〜650g |
解像度 | 2,300万ピクセル |
瞳孔間距離 | 51〜75 mm |
チップ | M2+R1 |
バッテリー | 最大2時間(一般的な使用時) |
「What If…? An Immersive Story」より
Apple Vision Proを使った第一印象として、画質のきれいさに驚きました。
解像度は両目合わせて2,300万ピクセルあり、他社と比べて圧倒的に高い性能を持っています。
他社の代表的なVRゴーグルの解像度は、高くても900万ピクセルほどなので、細かい文字を見ようとすると使いづらいと感じることが多いです。
Apple Vision Proでは、SafariやExcelなどで細かい文字を表示させても、文字がつぶれずはっきりと見ることができました。
大画面で複数のディスプレイを並べて、狭い場所でも大型ディスプレイで作業するような作業環境を作ることができます。
Apple Vision Proが特徴的なのは、コントローラーなしで、視線や手の動きで操作できること。
Apple Vision Proには視線の動きを感知するセンサーがついており、パソコンでいうところのカーソルの役目を果たします。
選択したい箇所に視線を向けたまま親指と人差し指を合わせる動作をすると、クリックができます。
Apple Vision ProにはSiriも搭載されており、「Siri」と声をかけたあとに指示内容を話し、内容に合わせた操作をすることも可能。
いくつかの手順やジェスチャーを覚える必要はありますが、慣れてしまえば直感的でスムーズで、ついつい使いたくなる使用感です。
Apple Vision Proには使う人の体の動きや周囲の環境を感知し、VR上に反映させるカメラやセンサー、マイクが搭載されています。
反応が正確でスムーズで、実際の動きとのズレや遅延など、不自然さを感じることはほとんどありませんでした。
また、多くのセンサーが連動して働くので、同時に処理する情報容量は大きくなるはずですが、画面のカクつきやフリーズもほとんど起こりません。
エンタメ目的での使い方はもちろん、仕事目的でもストレスなく使えるスムーズな操作感です。
Apple Vision Proには、Appleの「空間オーディオ」機能が搭載されています。
「空間オーディオ」とは、動画や音楽などに合わせ、特定の方向から音が聞こえてくる立体音響技術のこと。
映像に合わせて音が聞こえてくる方向が変わるため、音がまるで自分の周りで実際に鳴っているような臨場感が楽しめます。
テレビやパソコンなどで動画を再生すると、前から平面的に音が聞こえるため、どんなに音質が良くても「モニターから音が聞こえてくる」という感覚はどうしてもぬぐえません。
Apple Vision Proは耳元にスピーカーがついていて、まるで映画館をひとりじめしているかのような感覚。
VRと空間オーディオを合わせて楽しめるのはApple Vision Proならではの魅力です。
手のジェスチャーと視線の動きで、直感的に使用できるのがApple Vision Proの魅力です。
特に、基本的な画面デザインは他のApple製品との共通点も多く、普段からiPhoneやMacなどを使っている人には使いやすいと思います。
ユーザーガイドもついているので、使い方の確認もしやすいです。
Apple Vision Proで特徴的な機能の1つが、Apple Vision Proで3Ⅾ映像を撮影できる「空間ビデオ」です。
見ている景色をそのまま3Ⅾ映像に録画し、その場にいる感覚を味わえる映像を残すことができます。
こちらがApple Vision Proで実際に撮影した動画。ウェブページでは平面になってしまいますが、Apple Vision Proで再生すると飛び出たような立体映像として再生できます。
一般的に、立体映像を撮影するには3Ⅾカメラなどほかの機材が必要で、専用のソフトで編集する必要もあり、個人で制作するのはなかなか難易度が高いです。
Apple Vision Pro単体で3Ⅾ映像の撮影も再生もでき、自分で撮影した映像を楽しむことができます。
また、iPhoneで撮影したパノラマ写真を大きく表示させ、まるでその場にいるような没入感を体験することも可能。
自分の大切な思い出を今までにない迫力や臨場感で楽しめるのは、Apple Vision Proの大きな魅力の1つです。
Appleの公式YouTubeでも、パノラマや空間ビデオについて紹介されています。使用イメージの参考にしてみてください。
Apple Vision Proのバッテリー稼働時間は2時間です。
パソコンやスマートフォンなど、他のデジタル機器と比べると短いように感じますが、VR機器としては十分なバッテリー性能。
Apple Vision Proに限らず、VR機器を使っていると1時間ほどで目や体に疲れを感じるので、充電の持ちは2時間あれば十分だと思います。
充電しながら使うこともできるので、充電の持ちを心配する必要はあまりないでしょう。
外付けのバッテリーを常に本体につなぐ必要があり、ポケットに入れたりテーブルに置いたりして使う必要があります。
Apple Vision Proの最大のデメリットは価格の高さです。
新品で購入すると60万円近くするので、「少し試してみたい」という理由ではなかなか手が出せない価格ではないでしょうか。
目の疲れや本体の重さなど、体への負担を考えると長時間使い続けることは難しいです。
まだ対応しているアプリも少なく、アプリ側の使いやすさも充実していない印象です。
実際に使える時間や使い道が少ないのが現状で、買ってもすぐ使わなくなってしまうことも容易に想像がつきました。
買ってから後悔しないよう、他のデメリットについても詳しくレビューしていきます。
Apple Vision Proはバンドのつくりが良く、装着してすぐは快適な着け心地です。
他のVRゴーグルに比べて安定感やフィット感があり、バンドもしっかり考えて設計されている印象を受けました。
Apple Vision Proには「デュアルループバンド」と「ソロニットバンド」の2種類のバンドがついています。
それぞれ重みがかかる場所が微妙に異なり、装着感にも違いがあるので、自分の好みで選ぶことができます。
頭頂部と後頭部から2方向で支える「デュアルループバンド」。マジックテープで長さが調整できます。
重みが分散して安定感がありますが、おでこへの圧迫感が気になりました。
デュアルループバンド
ソロニットバンドは、着脱の簡単さが特徴で、後頭部へのフィット感も高いです。
しかし後頭部のみで支えるため不安定で、ゴーグルの下部が当たる頬が特に痛くなります。
長さは右側後方のねじを回すことで調整ができます。
ソロニットバンド
バンドの内側についているオレンジのリボンを引っ張ると金具が外れ、簡単に付け替えられる仕組みです。
どちらのバンドも使っているうち痛みや違和感を感じるようになります。
Appleのサポートページでも、20~30分ほどで休憩を挟みながら使うことが推奨されており、1日に使う時間はそれほど長くは取れないのが実際のところ。
パソコンの代わりとして仕事で1日中使うなど、長時間装着することは難しいです。
YouTubeの検索窓が小さくて視線がブレてしまう
Apple Vision Proは、視線の動きと手のジェスチャーで操作します。
視線を向けたところにカーソルが合い、手でジェスチャーをしてクリック。
SFに出てきそうでワクワクする機能ですが、実際には使っているうちに目が疲れてきます。
人間の視線はもともと、無意識のうちに常に細かく揺れ動いているもの。
目線を1点に固定させるのは目にとって不自然な動きで、長時間続けていると目の疲れに。
表示させているアプリケーションによっては、視線を固定するには画面上に表示されたボタンが小さく、視線の揺れでうまく選択できないことも多かったです。
操作に集中するあまり、まばたきが少なくなることも目の疲れに。
また、パソコンでカーソルが通った場所の見た目が変わるように、Apple Vision Proでも目線が動いた先で文字や背景の色が変わるため、画面がちらつくのも気になりました。
目の疲れやすさや視線の動きには個人差もある部分なので、購入する前にレンタルや店頭でのデモ体験などで試してみることをおすすめします。
Apple Vision Proはメガネやハードレンズのコンタクトと一緒に使うことはできません。
視線の動きを感知するセンサーがうまく働かず、視線での操作がうまくできなくなるため、普段メガネやハードタイプコンタクトを使っている人は、Apple Vision Pro専用の度付きレンズ「オプティカルインサート」を別途購入する必要があります。
税込みで24,800円するため、視力矯正をしている人は、Apple Vision Pro本体以外にも費用がかかることにも注意です。
Apple Vision Proは対応アプリがまだまだ少ないのが現状です。
ゲームソフトの充実度でいえば、Meta Questシリーズの方が圧倒的に多く、コンテンツとしての質の高さもMeta Questの方が上です。
対応しているアプリも、パソコンやスマートフォンの画面デザインがそのまま使われていて、Apple Vision Proでは操作しづらいものが多かったです。
視線と手で操作するには画面上のボタンが小さかったり、位置が遠かったりと、Apple Vision Proで操作しやすい設計になっていない印象でした。
対応アプリが充実していくかは、これからに期待したいところでもあります。
Apple Vision Proは没入感の高さや自由な操作性など、実際に使ってみて初めてわかる魅力がたくさんあると感じました。
VR機器を持っている人はもちろん、これからVRに挑戦してみようという人にもぜひ使ってみて欲しいデバイスです。
一部のデメリットを除き、VR機器に欲しい機能やスペックが一通りそろっているので、「VR体験はこうあってほしい」という願望をとことん叶えてくれていると感じました。
これからVR機器の購入を検討している人にとっては、Apple Vision Proを基準にして選ぶことで、自分に合ったデバイス選びがしやすくなります。
Apple Vision Proをレンタルして、VRの世界を広げてみてはいかがでしょうか。