頭に装着して使用するゴーグル型のディスプレイであるHMD(ヘッドマウントディスプレイ)は、近年注目度が高まっているガジェットです。
そんなHMDを長年製造している老舗メーカーの1つがGOOVIS。
本記事ではGOOVISの人気製品であるGOOVIS Artと、GOOVIS G3 Maxを比較し、どちらがどんな方におすすめなのか解説します。
GOOVISのHMDが気になっていて、どのモデルがいいか迷っている方はぜひチェックしてみてください。
INDEX
GOOVISとは中国の深センにあるメーカーで、主に頭に装着するディスプレイであるヘッドマウントディスプレイ(HMD)を製造しています。
2015年からHMDの製造を開始しており、市場の中でも先駆け的な存在です。
そのため、画質や視度調整などの基本的な機能のクオリティの高さには定評があります。
価格帯や用途に合わせて幅広い種類のHMDを展開しており、その中のモデルが今回比較する2機種です。
GOOVIS ArtはGOOVISの中では気軽に使える軽量モデルという立ち位置で、2024年7月に発売されました。
重量は110gで、HMDの中でも特に軽量です。また、本体もスリムな形状をしており、携帯性にも優れています。
医療現場で使われる拡大鏡のように、額から吊り下げる形も特徴と言えるでしょう。
これにより、メガネの上からでも装着して映像を観ることが可能です。
公式サイトではドローン操作時のモニターとしての用途も紹介されており、屋外や動きながらのシーンでHMDを使用したい方に適したモデルとなっています。
GOOVIS G3 MaxはGOOVISのHMDの中では最上位モデルにあたります。
形状はArtのようにスリムではありませんが、片目2.5Kの高画質ディスプレイが搭載されている点が魅力です。
高精細な映像を没入感を持って体感できるので、映画館のような視聴体験を得ることができます。
また、G3 Maxに近いサイズや形状のHMDは映像出力デバイスとの接続用以外に電源のためのケーブルもつなぐ必要がある製品も多いですが、G3 MaxはType-Cケーブルで出力デバイスと接続するだけで利用できます。
映画館のような映像体験を気軽に利用したい方におすすめのモデルです。
それでは早速、2製品の違うところをチェックしていきましょう。
まずは表でGOOVIS ArtとGOOVIS G3 Maxのスペックの違いをチェックしましょう。
GOOVIS Art | GOOVIS G3 Max | |
ディスプレイ種類 | マイクロOLEDディスプレイ | マイクロOLEDディスプレイ |
解像度 | 片目1,920×1,080 | 片目2,560×1,440 |
リフレッシュレート | 60Hz | 60〜120Hz |
視野角 | 40° | 65° |
仮想画面サイズ | 4m先に110インチ | 20m先に1,000インチ |
視度調整 | 近視0〜350° | 遠視+200° から近視-700° |
瞳孔間距離調整 | 58〜74mm | 58〜74mm |
入力端子 | USB Type-C | USB Type -C |
オーディオ端子 | 3.5mmイヤホンジャック | 3.5mmイヤホンジャック |
重量 | 約110g | 340g |
GOOVIS ArtとG3 Maxは本体のサイズやディスプレイの性能に違いがあります。
ただ、いずれも視度調整や瞳孔間距離の調整など基本的な機能は共通しており、できること自体は似ています。
続いて、実際に使ってみて感じた2機種の違いを詳しく紹介していきます。
2製品の大きな違いはサイズ感です。
GOOVIS G3 MaxはHMDらしい箱のようなサイズなのに対し、GOOVIS Artはゴーグル型と呼びやすいコンパクトなサイズとなっています。
重量も、G3 Maxは340g、Artは110gと230gの差があり、実際に持ってみると大きな違いが感じられました。
GOOVIS Artの収納ケース
付属の持ち運びケースのサイズもかなり差があり、気軽に持ち運んで使いたい方にはGOOVIS Artがおすすめです。
重量とも関連する違いとして装着感が挙げられます。
GOOVIS G3 Maxは340gの重さがあるので、装着すると頭や顔に負担を感じやすいです。
ヘッドバンドだけでは重さを支えきれず、モニター部分に荷重がかかりやすいため、鼻や頬骨にかなりの負荷を感じました。
また、装着中も位置がずれやすいです。
一方、GOOVIS Artは110gと軽いので、ヘッドバンドでしっかり支えることができます。装着中にズレることもありません。
また、G3 Maxのように鼻や頬骨には触れる形状ではないので、顔に負担を感じることはありません。
私の場合、GOOVIS G3 Maxは1時間程度が連続使用の限界でしたが、GOOVIS Artであれば2時間は余裕で使用できました。
装着感の面ではGOOVIS Artは圧倒的におすすめです。
とはいえ、装着感は実物を実際に体験してみないとなかなか判断が難しいところでもあります。
GOOVIS G3 MaxもArtも、買って少し試すという価格ではないでしょう。
まずはレンタルで使ってみて、本当に自分に合うかどうかをぜひ確かめてみてください。
GOOVIS Art
GOOVIS G3 Max
GOOVIS G3 MaxとGOOVIS Artは装着感が大きく異なりますが、それに付随してメガネとの併用可否に違いがあります。
GOOVIS G3 Maxは目の周りを完全に覆い隠すので、装着時はメガネを外す必要があります。
一方でGOOVIS Artは目の周りが開放されており、メガネをかけた上から装着可能です。
いずれのモデルにも視度調整はあるので、一般的な近視の方ならメガネを外した場合でもどちらでも利用できます。
ただし、視度調整が対応できない極度の乱視などでメガネをしている方の場合は、メガネと併用できるGOOVIS Artに選択肢が絞られます。
メガネをかけながら支えるHMDは市場でも少ないので、この点はGOOVIS Artを選ぶ大きな理由になります。
GOOVIS G3 Maxの画面
GOOVIS G3 MaxとArtでは、映像の画質以上に見え方に違いがあります。
GOOVIS G3 Maxの場合、目の周りがカバーで覆われるので、装着すると視界は真っ暗になります。
その中にディスプレイの映像が浮かび上がる形で見えるので、映画館と同じような視聴体験が得られます。かなり没入感があるので、映画やゲームなどに集中したい方に適しています。
GOOVIS Artの画面
一方、GOOVIS Artは目の周りを覆わない形状なので、装着しても周囲の様子が視界に入ってきます。
映像の周りに周囲の風景が見えるので、空間に画面が浮いているような視聴体験です。
装着しながら手元で作業できる点は魅力ですが、GOOVIS G3 Maxのように没入感を持ってコンテンツを楽しみたい方には向きません。
没入感のある映像体験が重要なコンテンツ視聴にはGOOVIS G3 Max、周囲の様子も見ながら使いたい作業用モニターとしての用途ならGOOVIS Artのように判断すると良いでしょう。
比較のまとめとして、GOOVIS G3 MaxとGOOVIS Artがそれぞれどんな方におすすめなのかまとめていきます。
GOOVIS Artがおすすめなのは以下のような方です。
GOOVIS Artの特徴は主にスリムさや軽さなどのサイズの面です。
軽い装着感や携帯性を求める方にはGOOVIS Artは非常に魅力的な選択肢でしょう。
また、メガネの上からでも装着できたり、装着したまま周囲の様子が見えたりする形状も特徴的です。
GOOVIS G3 Maxは周囲が見えず、キーボードなどが見える必要のある作業用モニターとしては使えません。作業用モニターとしての用途を考えている場合はGOOVIS Art一択です。
GOOVIS Art
GOOVIS G3 Maxは以下のような方におすすめです。
大前提として、2製品のうちGOOVIS G3 Maxは大きくて重いデバイスなので、Artより携帯性や装着感が劣ることを許容できる方にしかおすすめできません。
一方、GOOVIS G3 Maxで得られる映画館のような没入感のある視聴体験はArtにはない素晴らしいポイントです。
映画などの映像コンテンツやゲームを迫力や臨場感を感じながら集中して楽しみたい方にはGOOVIS G3 Maxがおすすめです。
GOOVIS G3 Max
本記事ではGOOVISの人気HMDであるGOOVIS ArtとGOOVIS G3 Maxを比較しました。
いずれも映像体験としての質は高く、HMDを使ってみたい方に十分おすすめです。
その上で比較すると、GOOVIS Artは作業用や屋外利用などの気軽な用途、GOOVIS G3 Maxは没入感のあるコンテンツ視聴におすすめという違いがありました。
ただ、HMDの装着感や用途との相性は実際に製品を使ってみないと分からないことも多いです。
GOOVIS ArtとGOOVIS G3 MaxはともにSUUTAのレンタルサービスにてレンタルすることができます。
本記事を読んで、実際の使い勝手が気になった方はぜひSUUTAでGOOVISのHMDをチェックしてみてください。