私たち日本人の平均睡眠時間は、6時間50分。
驚くべきことに、この数字は世界最低水準だといわれています。また、2021年に世界13カ国を対象に行われた世界睡眠調査では、「今の睡眠に満足している」と答えた日本人はわずか29%のみ。同調査の対象国の中で最下位という結果になりました。
近年のこうした発表を受けて、人々の「睡眠の質」に対する注目度が高まっています。ナイトウェア・小物類から寝具まで、さまざまな睡眠アイテムが開発される中、「快適な睡眠で毎日を過ごして欲しい!」という強い想いから、空気を循環させて温度と湿度をコントロールし、快適な寝心地を提供するマットレスを日本にもたらしたのが、有限会社ランエンです。
今回お話を伺ったのは、大手家具メーカーで店舗営業・法人営業・経営企画等を経験したのち、同社の営業やPRを担当している金井聡(かない・さとる)さん。2023年4月に一人目の正社員として入社し、現在は副社長でもある金井さんに、空気循環マットレス『テコリア』を販売するにあたっての想い、SUUTAでのレンタルを試みた経緯について話を聞きました。
INDEX
ーー現在の事業内容を教えてください。またあわせて、貴社が事業を始めたきっかけを聞かせてください。
金井さん:健康食品事業と睡眠をサポートする寝具、生活雑貨の企画・販売をおこなっています。実は、会社の起源は焼肉屋さんなんです。「有限会社ランエン」の「エン」は、有名焼肉店でよく見る「苑」に由来しています(笑)。
世界的に牛海綿状脳症(BSE)が流行した影響で焼肉屋事業は事業転換することになりましたが、某コンビニエンスストアとフランチャイズ契約を交わし、その後10年間営業を続けてきました。そして2016年、会社としての転機を迎え、現在も売上の柱となっている健康食品事業に挑戦しはじめました。「人々の健康でいきいきした生活を叶える」をモットーに『KOHYOH(康叶/コーヨー)』という自社ブランドを立ち上げ、子どもの栄養不足や腸内細菌を補う健康食品の企画開発・販売をおこなっています。
ーー会社が転機を迎えたきっかけは何だったのでしょうか?
金井さん:弊社の女性役員に子どもが生まれ、「自分たちはもちろん、子どもたちの健康も大事にしたいよね」という共通認識が生まれたことが大きかったと思います。食事だけでは不足しがちな成分を補うための健康食品はたくさんありますが、基本的に成人向けですよね。身体の成長に欠かせないビタミン、ミネラル、食物繊維に加え、腸内のバランスを整えるビフィズス菌などを、子どもたちにも摂取してほしいと思ったんです。
そこで、弊社のオリジナル製品は、離乳食を食べはじめたばかりの赤ちゃんも対象にしています。子どもたちも口にできる健康食品は珍しいということで、たくさんのお客様に評価してもらえるようになり、現在は9種類の商品を取り扱うまでに成長しました。
ーーそして、2021年から事業の2つ目の軸となる、寝具の販売もスタートしたのですね。
金井さん:はい。健康食品事業の成長を経て、新ブランド『KOHYOHLIFE』を立ち上げ、睡眠をサポートする製品を企画・販売することになりました。そこで弊社が注目したのが、のちほどご紹介する空気循環マットレス『テコリア』です。
ーー健康食品とマットレスの企画・販売は、だいぶ分野が異なるように感じました。
金井さん:ずばり、共通ワードは“お客様の健康”です。少し話が戻りますが、弊社は健康食品の企画・販売にあたり、腸活を重要視しています。その理由は、脳と腸が互いに影響し合っていることが近年、実証されつつあるからなんです。腸を整えることで、脳にひらめきやインスピレーションがもたらされ、心身ともに元気になる……。健康食品が持つそういった効果をふまえて、「お客様の健康のために、次は何が必要だろう」と考え、質の高い睡眠の重要性にたどり着きました。現在、私を入れて5名の少数精鋭でこの事業の拡大に取り組んでいます。
ーーご出品いただいている空気循環マットレス『テコリア』の特徴を教えてください。
金井さん:ひとことでいうと、寝ているあいだの温度と湿度を調整してくれる多機能マットレスです。人は、寝ている間にたくさんの汗をかきます。その湿気をマットレスが吸収して、ダニやカビを大量発生させる原因のひとつになってしまうのです。特許を取得した『テコリア』の多機能循環機を使えば、マットレス内の空気を循環させることができ、内部の熱や湿気を効率よく外部へと逃すことができます。
また、日本睡眠科学研究所によれば、人間が快適に眠るための最適な温度は「33±1℃」、湿度は「50±5%RH」と発表されています。『テコリア』の「温風」と「送風」の機能を使えば、この基準に即した快適な寝床内環境を作ることができるんです。エアコンやヒーター、高機能素材を以てしてもしのげなかった寝苦しさを、最新機器の力で解決してくれるわけですね。厚さは、普段のマットレスに重ねて使える6cmタイプと、布団のように床に直置きできる12㎝タイプ、ポケットコイル内蔵の20cmタイプの3種です。使い方も簡単ですので、世代を超えてたくさんの方におすすめしたいです。
さらに言えば、快適な睡眠に必要な条件って、本当にさまざまですよね。たとえば「朝はタンパク質を摂った方がよい」とか「夜は眠る3時間前までに食事を終えて、1時間半前までにお風呂を済ませましょう」とか……。でも、毎日その通りにするのは難しいし、人によって何が合っているのかもわからず、その生活をしたとしても必ずしも気持ちよく寝られるわけではないと思うんです。それは、夏は暑さで寝苦しく、冬は寒さで入眠がしづらいなど、温度と湿度が整っていないからです。『テコリア』なら、普段の睡眠環境にプラスするだけで、より快適な眠りをサポートしてくれます。
ーー『テコリア』の開発秘話を詳しく教えてください。
金井さん:『テコリア』の技術は中国で開発されたもので、弊社は日本の総代理店として販売を請け負っているんです。『テコリア』の前身となる製品第1号は、2006年から5年の月日をかけて企画開発され、2011年に完成しました。その後、2023年から展示会で『テコリア』を日本で初公開。その際に、某大手ベッドメーカーの方が「これ、よく開発できましたね!」と驚いていたことが記憶に残っています。日本の寝具メーカーでは、バネ・ウレタン・布地の配置の工夫や、新素材の導入、IoT活用などによって日々新しい製品が誕生しています。しかし、その方いわく、温度と湿度をコントロールする技術は未だに確立されていないそうなんです。
ーー言われてみれば、温度と湿度を両方調整できるマットレスって見たことがありませんね。多機能循環器はまさに、日本で唯一無二の技術なのですね。
金井さん:はい。日本と中国に独自の販路を持つ私たちだからこそ提供できる技術だと自負しています。しかし、開発当初は、空気をベッドの隅々まで均等に行きわたらせることが大変難しかったらしく……。何度もトライアンドエラーを繰り返した結果、最終的には熱の伝達距離を、クイーンサイズの長さ195cm×幅160cmにまで広げることができました。
ーーさまざまな試行錯誤を経て、やっと実現した機能なのですね。
金井さん:そうした最新技術をたった6cmの厚みで実現している点、さらに循環機の静音性も叶えている点にも、ぜひご注目いただきたいです。また、送った空気が直接身体に当たらないよう設計されているため、寝ている間に体内の水分が奪われず、身体に優しいつくりになっているのもポイントです。冬は循環器が作り出した温風、夏はエアコンで冷やした室内の空気をマットレス内に送ることで、就寝時に適した体感温度を叶えます。
また、『テコリア』が1枚あれば、重ね着用のアイテムや乾燥機など、眠りのためにかけていたさまざまなコストを削減することができるんです。たとえば、暑くて寝苦しい夏の時期は『テコリア』を活用することで就寝時のエアコンの設定温度が1〜2℃変わったとすると、約10%の節電効果が生じます。対して、『テコリア』を作動した際の1時間あたりの電気代は、温風の場合2.7円、送風の場合0.1円しかかかりませんから、差分の電気代が節約できるわけです。購入時にかかるコストは必要ですが、ランニングコストはかなり経済的だといえます。
ーー『テコリア』は、どのような世代のお客様に使われているのでしょうか?
金井さん:30代後半から、年配の方に人気ですね。さきほどお伝えした“身体に負荷を与えない優しい温かさ・涼しさ”がこの世代にご好評をいただいている理由だと思います。近年、ベッドは睡眠に加えて映画を見たり音楽を聴いたりなど、リクライニングの場でもあります。さらに、年を取るにつれて、人はベッドで過ごす時間が増えますよね。そうなると、コストを掛けても上質なものを、と考える方が多いようです。
ーーお客様からよく寄せられるお悩みなどはありますか?
金井さん:やはり、「寝つきが悪い」とお悩みの方は多いですね。弊社としては、『テコリア』を通じて、そうしたみなさんの日々の課題を解決していきたいと思っています。また余談ですが、枕選びに困っている方には、枕とマットレスを同時に購入することをおすすめします。枕屋さんで首のへこみや頭の形などいろいろ計測をして、「あなただけの枕」を作っても、結局マットレスの硬さによって、身体の沈み込み具合は変わってしまいます。「せっかくよい枕を買ったのに、全然眠れない……」なんてことになるともったいないので、ぜひマットレスと併せて検討してみてください。ちなみにマットレスは、身体の湾曲に合わせて変形してくれるソフトタイプが身体に対しては断然おすすめです。マットレスが身体に合ってさえいれば、本来枕はそこまで必要ないはずなんですよね。
ーー快適に眠るためにマットレスは重要なのですね。次に、最近オープンした池袋のショールームについて教えてください。
金井さん:開設した一番の理由は、『テコリア』を体感していただきたいからです。ショールームではゆっくり時間をかけてお試しいただくことが可能です。そのために掛布団や枕、スリッパもご用意しています。なかには気持ちよくて本当に寝てしまう方も多くいらっしゃいます。そして睡眠の有資格者もいますので、睡眠に関するお悩みなどもお聞きし課題解決のご提案をさせていただいております。予約制になりますが、是非お気軽にお越しください。
ーー最後に、今後SUUTAに期待していることを教えてください。
金井さん:まず『テコリア』はまだまだ知名度がありません。空気循環マットレスって何?というところからのスタートです。販売店や弊社ショールームでのご体感は可能ですが、ご自宅の環境で先ずは試してみたい!と考えるかたは多いと思います。製品に自信があるからこそ、SUUTAのレンタルサービスを使って、この心地よさを一人でも多くの方に体感してみていただきたいです!SUUTAは、弊社だけでは実現できなかった「気軽にお試しできる場所」の一つです。個人のお客様にとどまらず、法人のお客様も、ぜひご活用ください。
ーー金井さん、ありがとうございました。