Stream Deckシリーズは、動画・写真・画像編集や動画配信などにぴったりのショートカットデバイスです。
なかでも「Stream Deck +」は、従来シリーズに搭載されているボタンに加え、4つのダイヤルを搭載されている点がポイント。
ダイヤルのおかげで、音量調整・ブラシサイズ・タイムラインのズームなどの連続的な操作を直感的にできるようになります。
マウスやキーボードでは手間がかかる微調整も、手元のボタンとダイヤルを使えばスピーディ。
この記事ではStream Deck +をクリエイティブワークで活用した使用例と、その感想をまとめました。
「実際、どのように使えるの?」と気になる人向けに、クリエイティブワークでの活用方法を紹介します。
INDEX
サイズ | 140 x 138 x 110 mm |
重量 | 465g |
ボタン | 8個 |
ダイヤル | 4個 |
Elgato(エルガト)の「Stream Deck +」は、主にクリエイター向けに設計されたショートカットデバイスです。
従来のStream Deckシリーズに、物理ダイヤルとタッチパネルが加わり、より直感的な操作が可能になった点が特徴です。
作業効率アップにつながるカスタマイズ性の高さも魅力。
動画・画像・写真編集、配信、音楽制作など、さまざまなクリエイティブワークに対応可能です。よく使う機能をボタンやダイヤルに割り当てることで、効率化と時短を実現できるでしょう。
Stream Deck +の詳しい商品レビューについて知りたい方は、こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
Stream Deck +をカスタマイズするには、専用アプリ「Stream Deck」をPCにインストールします。
基本的なカスタマイズ方法は簡単。すでにプリセットされている項目を、設定したいボタンやダイヤルにドラッグ&ドロップするだけ。多少の慣れは必要ですが、おおむね直感的で簡単です。
ダウンロードURL(Windows/Mac):
https://www.elgato.com/jp/ja/s/downloads
一般的にクリエイティブワークを効率よく進めるには、どれだけのショートカットキーを使いこなせるかがカギとなります。
クリエイティブワークは、操作の繰り返しが多いです。アプリ内の豊富なツールを頻繁に切り替えたり、、細かな操作を積み重ねたりしながら作業を進めることになります。
だからこそ、ショートカットキーをうまく使いこなすことが、作業スピードアップに直結します。
そんなクリエイティブワークとStream Deck +は相性抜群。マウスとキーボード以外の、ショートカット専用デバイスを導入してみる価値は大いにありそうですよ。
まずは画像・写真編集アプリとStream Deck +を組み合わせたときの使用例と感想をまとめます。
定番の画像・写真編集アプリ『Photoshop』とStream Deck +を連携可能です。
例えば以下のような活用方法があります。
Photoshopにはたくさんのツールがありますが、マウスでツールバーから選ぶよりも、Stream Deck +から1ボタンで切り替えるほうが断然早いです。
イメージとしては、Photoshopのアクション機能をStream Deck +に登録するようなイメージです。アクション機能とは、複数の動作を記録しておき、ワンクリックで一連の処理を自動実行できる機能のこと。
たとえば画像のリサイズ一つとっても、「リサイズ画面を開く→リサイズしたいサイズを入力→保存処理」など、いくつかの動作が必要となります。それらをまとめて一度の操作で行えるのが、アクション機能の便利なところ。同じようによく使う操作のセットをStream Deck +に設定しておけば、ボタンを一回押すだけで作業が完了します。
Stream Deck +の特徴である4つのダイヤルも、しっかり活用できます。ブラシサイズ調整・画像の拡大縮小・不透明度の調整など、ダイヤルを左右に回して操作可能。
特にPhotoshopについては、専用プラグインがあるのでカスタマイズが楽なのも魅力。一般的によく使われる機能がすでに用意されています。
Stream Deckシリーズのカスタマイズ向けプラットフォーム「Elgato Marketplace」にて、無料でダウンロードできます。
Elgato Marketplace:
https://marketplace.elgato.com/
ただもしかすると、Photoshopのバージョン等によっては、正常に動作しない可能性があるかもしれません。筆者は2023年にリリースされたPhotoshop(24.7.0)を使っていたのですが、ダイヤルによる拡大縮小の操作が少しうまく動作しませんでした。
仕事に使うクリエイティブアプリは、大きな不具合がない限り、あえてアップデートせずに使っている人もいるのではないでしょうか。場合によっては、うまく動作しない可能性があることに留意したほうがいいかもしれません。
うまく動作するかどうか確認するためにも、まずは一度レンタルで試してみてはいかがでしょうか。
エルガト/Elgato Stream Deck +
CanvaはWeb版とアプリ版がありますが、どちらでもStream Deck +と組み合わせて活用できます。
主にショートカットキーをStream Deck +のボタンとダイヤルに設定し、作業を効率化するという活用方法になります。
すでにたくさんのショートカットキーが用意されているので、よく使うものを設定しておきましょう。これだけで時短になります。
以下のような、ちょっと覚えづらいショートカットなども設定しておくと便利そうです。
またダイヤルには、フォントサイズの拡大縮小などを設定しておくと便利です。ダイヤル右回しでフォントを拡大、左回しで縮小ができます。
Canvaショートカットキー:
https://www.canva.com/ja_jp/help/keyboard-shortcuts/
Canvaは、誰でも簡単に使えるデザインツールというコンセプトで人気を博しています。
つまり、デザイン・画像編集の初心者をターゲットしているということ。Photoshopを使うほどではない非デザイナーの人やデザイン初心者の人は、ショートカットキーを覚えるのが大変ではないでしょうか。
まだショートカットキーを覚えていない、あるいはなかなか覚えられない初心者の人こそ、Stream Deck +にショートカットキーを設定してしまうのが楽に効率化するポイントかもしれません。
Adobeの写真編集・管理アプリ『Lightroom』も、Stream Deck +と組み合わせて使えます。
例えば、以下のようなショートカットキーをStream Deck +のボタンとダイヤルすると便利に使えるかもしれません。
ボタンを押すたびに「取り消し・やり直し」を交互に繰り返す設定にするのも良さそうですね。現像のビフォーアフターを比較しやすいです。
ダイヤルで、Lightroom現像モジュールの各スライダーを微調整できます。この操作がしたくてダイヤルつきのStream Deck+を検討している人もいそうなぐらい、ニーズが強そうな機能です。
ただし、調整する項目はマウスで選択する必要があります。例えば露光量を調整したければ、露光量の項目をマウスでクリックして選択したうえで、ダイヤルを回す必要があるということです。
Lightroomショートカットキー
https://helpx.adobe.com/jp/lightroom-classic/help/keyboard-shortcuts.html
またStream Deckのプラットフォーム「Elgato Marketplace(https://marketplace.elgato.com/)」 にて、Lightroom Classicのプロファイルが販売されています。価格は39.99ドル(記事執筆時の為替レートで約5,900円)。
プロファイルをインストールすると、Stream Deck +のタッチパネルで調整したい項目を選び、ダイヤルでスライダーを操作する、という現像の一連の操作がスムーズになります。
タッチパネルで調整したい項目を選べるようになるのが、このプロファイルの素晴らしいところ。実用的なうえ、この操作をしたいニーズは強いでしょう。
このプロファイルはLightroomのAPIが使われています。自分で作るのは難易度が高そうと感じる人は、購入を検討しても良いかもしれません。
続いて、動画編集アプリとStream Deck +を組み合わせたときの使用例と感想をまとめます。
Adobe Premiere Proも、ショートカットをStream Deck +に設定して使います。
よく使うショートカットはもちろん、中程度の使用頻度かつキーを2つ以上使う複雑なショートカットや、キー配置的に指がつりそうなショートカットを割り当てておくのもおすすめです。
どんなショートカットでも、Stream Deck +なら1ボタン・1ダイヤルで実行できるのが便利ですね。
Premiere Proショートカット
https://helpx.adobe.com/jp/premiere-pro/using/keyboard-shortcuts.html
Lightroomと同様に、Premiere ProもStream Deckのプラットフォーム「Elgato Marketplace(https://marketplace.elgato.com/) にて、専用プロファイルが販売されています。
価格は34.99ドル(記事執筆時の為替レートで約5,200円)。
プロファイルをインストールすると、よく使うショートカットや機能などを一括で入手できるのが大きなメリットです。ショートカットなどを自分で設定する手間が省けます。
Final Cut Proも、Stream Deck +のボタンやダイヤルに各種ショートカットキーを設定する使い方になります。
Final Cut Proショートカット:
https://support.apple.com/ja-jp/guide/final-cut-pro/ver90ba5929/mac
LightroomやPremiere Proと同様に、Final Cut ProもStream Deckのプラットフォーム「Elgato Marketplace(https://marketplace.elgato.com/) にて、専用プロファイルが販売されています。
価格は34.99ドル(記事執筆時の為替レートで約5,200円)。
こちらもプロファイルをインストールすることで、よく使うショートカットや機能などを一括入手できます。
ショートカットなどを自分で設定する手間が省けます。カスタマイズが面倒だと感じる人は、購入するのも良さそうです。
こういったカスタマイズを楽しいと感じるか、面倒だと感じるか、人によって意見がわかれるところです。そういう意味では、Stream Deck +は人を選ぶデバイスだと言えます。
Stream Deck +が自分の性格に合うかどうか、レンタルで試してみるのも良さそうですね。
エルガト/Elgato Stream Deck +
Stream Deckシリーズは、動画配信と相性が良いイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
そのイメージは決して間違っていません。実際、動画配信でStream Deckを使うと便利な点がたくさんあります。
などなど、できることは非常に多彩です。
動画のライブ配信では、視聴者を待たせないこと、退屈させないことが重要です。配信中に操作でもたつくと視聴者が離れてしまう原因になりかねません。
そんな場面で頼りになるのが、ボタンとダイヤルでスピーディな操作ができる「Stream Deck +」。視聴者を待たせずに、スムーズな配信ができるようになります。
筆者は動画配信をしていないので、実際には試せていません。しかし視聴者として動画配信を見ていると、配信者が複数台のカメラやソフトを切り替えながらスムーズに配信している手際の良さには関心します。見ている側としてもストレスがありません。
動画配信を見たことがある視点からStream Deck +でできることを考えると、まごつかずに配信ができるメリットは大きいと言えそうですね。
Stream Deck +は、カスタマイズによってページ(厳密にはレイヤーと呼ばれる)を追加できます。
ページを追加することで、各ボタンとダイヤルに複数の操作を割り当てるようになり、より多彩な操作が可能になります。
ただし、ページ切り替えはスワイプ操作なので、目的のページにたどり着くまでに何度かスワイプしなければなりません。
例えば、Photoshopの操作をまとめたページを表示するためには、何度かスワイプする必要が出てくる場面もあります。これは少し手間です。
しかしStream Deck +には、特定のアプリを起動したら、そのアプリに紐づいたページを自動的に表示する機能があります。
つまり、Photoshopを起動したら自動的にPhotoshop用の操作をまとめたページを表示する、といった具合です。
アプリを起動すると、そのアプリ用の操作がStream Deck +前面に表示されるので、スワイプする手間が省けます。とても便利な機能なので、みなさんもぜひこの機能を使ってみてください。
すでにクリエイティブワークに専門的に従事している人はもちろん、ショートカットキーをなかなか覚えられない初心者の人や、専門のクリエイティブワーク職ではないけど、業務の一環としてときどき動画や画像の編集をする程度の人にもStream Deck +はピッタリです。
クリエイティブワークはメインの仕事ではないけれど、業務の一環として作業する人も少なくないように思います。
むしろそういった非専門職の人は、クリエイティブアプリのショートカットを覚えるのが大変でしょう。だったら、ショートカットキーをStream Deck +に設定してしまうのが楽です。
Stream Deck +は、クリエイティブワーク専門職の人もそうでない人も、仕事を効率化するのに役立つはずです。
今回は動画・画像・写真編集、動画配信について簡単に触れましたが、このほかにも音楽制作、3D制作などでも利用できます。
やはり繰り返し作業が多いクリエイティブワークと、Stream Deck +は相性が良いですね。
とはいえ、Stream Deck +がみなさんの仕事も効率化できる保障はありません。「自分の作業に合うかどうか・使いこなせるかどうか」は、実際に触ってみないとわからない部分も大きいでしょう。
合う合わないがわかれるデバイスなので、まずレンタルで気軽に試してみるのもひとつの手です。
長期的に使い続けるかどうか決めるのは、ひとまず試してからでも遅くはないでしょう。