仕事をもっと効率化したい!という人のニーズに応えるショートカットデバイス「Stream Deck +」。
クリエイターや動画配信者が使っているイメージがあるかもしれませんが、実は一般的なオフィスワークでもしっかり活用できます。
何度も繰り返す操作をStream Deck +に割り当てることで、日々の作業を効率化できるのがメリット。
この記事ではStream Deck +をオフィスワークで活用した使用例と、その感想をまとめました。
「実際、どのように使えるの?」と気になっている方に向けて、カスタマイズ次第で多岐にわたるStream Deck+の使い方の中から、特に用途が多そうな活用方法をご紹介します。
INDEX
サイズ | 140 x 138 x 110 mm |
重量 | 465g |
ボタン | 8個 |
ダイヤル | 4個 |
「Stream Deck +」は、テクノロジーブランドElgato(エルガト)が販売しているショートカットデバイス。
以下のようなシリーズが展開されています。今回使用するのは、この中の「Stream Deck +」です。
キーボードやマウスだと、ショートカットキーを覚えたり、マウスを何度もクリックして目的の操作にたどり着いたりする必要があります。
しかしStream Deck +なら、それらの操作を1つのボタン・ダイヤルにまとめられます。キーボードとマウスだけでは実現しづらい効率化が可能です。
Stream Deck +の製品レビューについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
Stream Deck +をカスタマイズするために、専用アプリ「Stream Deck」をPCにインストールします。
基本的なカスタマイズ方法は簡単。すでにプリセットされている項目を、設定したいボタンやダイヤルにドラッグ&ドロップするだけ。
多少の慣れは必要ですが、おおむね直感的で簡単です。
ダウンロードURL(Windows/Mac):
https://www.elgato.com/jp/ja/s/downloads
Stream Deck +を初めて使う方は、購入前に一度レンタルで確かめておくと、買ってから「あまり使えなかった」と後悔することも少なくなります。
操作が簡単とはいえ、自分の日々の仕事で実際にどのくらい使う場面があるか、本当に設定がうまくいくかなど、実際に使ってみて確かめたい点もあるのではないでしょうか。
気になっている方はStream Deck +をレンタルし、この記事を参考にしながら、Stream Deck +を実際に手元で使って自分に合うかどうかぜひ確かめてみてください。
エルガト/Elgato Stream Deck +
オフィスワークにおけるおすすめの使い方は、ルーティン作業の効率化です。
毎日繰り返している定型的な操作や作業を1つのボタンにまとめることで、手間を省いて効率化でき、作業スピードがアップします。
日々のルーティン作業を効率化することで、少し早く退勤できるようになるかもしれません。
また、本当に集中する必要があるクリエイティブな仕事や、判断業務などにリソースを割けるようになるのも大きなメリットです。
仕事を振り返ってみると、毎日同じ作業を繰り返していることに気づくかもしれません。
例えば、毎朝PCを立ち上げたあと、Webブラウザを起動し、メールアプリを開き、チャットツールを立ち上げて……。
これらすべて、PCデスクトップ上のショートカットアイコンをマウスで1つずつクリックして起動している人は多いのではないでしょうか?一つひとつは小さな手間でも、毎日積み重なると意外と時間を取られます。
今回はStream Deck +の使用例として、1ボタンで以下複数のアプリを同時に起動するショートカットを作成してみました。
ここではExcel・Word・Photoshopを起動しています。
※例として1ボタンでExcel・Word・Photoshopを立ち上げています
このようにボタンを1つ押すだけで、これらのアプリが瞬時に起動します。ほかにもチャットツールやNotion、Google Chromeなどが設定可能です。
合計で8個ほどのアプリを設定してみましたが、動作や起動速度など、問題なく起動できました。アプリのショートカットアイコンをひとつずつクリックして起動するよりも、断然早いです。
同様に、いつもチェックする特定のWebページをブラウザで一度に開くような設定も可能。ブラウザのブックマークからひとつずつアクセスするよりも早いです。
このように毎日の繰り返し作業を効率化できるのがStream Deck +の魅力です。
Stream Deck +から、スピーカーやマイクの音量調整が可能です。
例えばWeb会議中に、相手の声が聞き取りづらければスピーカーの音量を上げたり、自分の声が小さいと感じたらマイクの音量を調整したりといった操作が簡単に行えます。
もちろんZoomなどのWeb会議アプリ側からもこういった調整は可能ですが、いちいち設定画面を開くのはちょっと手間だったりしませんか。
Stream Deck +であれば、手元の物理ボタンでスピーディに調整できるのが便利です。
※MTGの日程を決めるメールのテンプレートを呼び出しています
例えば以下のような、よく使う文章テンプレートを1ボタンで呼び出せます。
日々よく使うテンプレートを登録しておけば、毎回同じ文章を打つ手間がなくなります。誤字脱字などのミスも防げます。
またテレワーク中の会社では、毎朝チャットツールで「これから業務を開始します」といったメッセージ送信をルール化しているところもあるでしょう。そういった定型文もStream Deck +に登録しておくと便利そうです。
ちょっと気が利くのが、「メッセージの後にEnterキーを押す」というオプションがついている点。
Enterを押すことでメッセージを送信できるチャットツールも多いです。このオプションをONにしておけば、Stream Deck +のボタンひと押しでメッセージ送信まで完了します。
地味に見えるかもしれませんが、実用的かつ時短を実感しやすい使い方だと言えるでしょう。
続いて、オフィスワークで利用されることが多いGoogle Workspaceと、Stream Deck +を組み合わせたときの使用例と感想をまとめます。
オフィスワークでよく使われるGoogleスプレッドシートも、Stream Deck +と連携可能です。
例えば以下のような活用方法があります。
毎日チェックするGoogleスプレッドシートが決まっている人も多いでしょう。それらを1ボタンで開けます。ブラウザのブックマークから開くよりも断然スピーディです。
また、以下のようなGoogleスプレッドシート独自のショートカットキー(厳密にはキーを同時に押すのではなく、順番に1つずつ押していくシーケンシャルショートカット)を登録しておくのもおすすめです。
以下はMac版のショートカットキーです。
※スプレッドシートの「行/列を挿入」をショートカットを実行
また、以下のように連続で入力する性質があるショートカットは、Stream Deck +のダイヤルに設定すると便利になるでしょう。
例えば、フォントサイズの拡大・縮小をダイヤルに設定してみました。ダイヤル右回しでフォントをどんどん拡大、左回しで縮小ができます。
Googleスプレッドシートのショートカットは少し独特で、覚えづらいのではないでしょうか。
これらをStream Deck +に登録しておけば、1ボタンで呼び出せます。
Googleドキュメントも、Stream Deck +と連携可能です。
主に以下のような4種類の活用方法があります。
まずは、よく見るGoogleドキュメントに1ボタンでアクセスできるようにするのが便利です。日々決まったGoogleドキュメントを閲覧しているなら、これだけでちょっとした時短を実感できるでしょう。
定型文など文章のテンプレートを、1ボタンで呼び出せるようにするのもおすすめ。
さらに、以下のようなGoogleドキュメント独自のショートカットをStream Deck +に登録しておくのも便利ですね。
Googleスプレッドシートと同様ですが、フォントサイズ変更のショートカットをStream Deck +のダイヤルに割り当てるのも便利でしょう。
Googleドキュメントで行う反復作業をStream Deck +に設定しておくと、日々の自動化を実感できるはずです。
ちょっとしたことかもしれませんが、積み重なると大きな時短になります。
やはりオフィスワークと切っても切れない関係なのが、Microsoft Office。
Stream Deck +と組み合わせて使ったときの使用例と感想をまとめます。
ExcelとStream Deck +を連携すると、例えば以下のようなことができるようになります。
基本的にはGoogleスプレッドシートでできることと大差はありません。
例えば、以下のようなExcelのショートカットを、Stream Deck +のボタンに設定しておくと便利かもしれません。
ショートカットはほかにもいろいろあるので、便利だと思うものを設定しましょう。
Stream Deck +のダイヤルには、例えば以下のようなショートカットを設定するのが便利そうです。
ダイヤルでシートの拡大・縮小ができれば便利そうだったのですが、Macが「Command + Control + スクロール」とスクロール操作が入ってしまうため難しかったです。
Windowsだと以下のようなショートカットキーが用意されているので、ダイヤル左回しで縮小、右回しに拡大を設定しておくと、スピーディかつ滑らかに操作できそうです。
ここまで読んだ人ならすでに察しているかと思いますが、WordやPowerPointも同様です。
以下のような操作をStream Deck +に設定しておくと、効率化ができるでしょう。
時短のコツは、「よく使う操作・何度も繰り返す操作」をStream Deck +に設定しておくことです。
同じことの繰り返しは、Stream Deck +に任せましょう。
Stream Deck +は、カスタマイズによってページ(厳密にはレイヤーと呼ばれる)を増やせます。
ページを増やすことで、8個のボタン・4個のダイヤルに複数の操作を割り当てることが可能になります。
ただページの切り替えはスワイプなので、目的のページにたどり着くまでに何度かスワイプしなければならないことも。スマホのホーム画面をスワイプして、次のページのアプリを表示するような感覚ですね。
例えば、Excelの操作をまとめたページを表示するために何度かスワイプする必要が出てくるケースもあります。ちょっと手間ですよね。
しかしStream Deck +には、特定のアプリを起動したら、そのアプリに紐づいたページを自動的に表示する機能があります。
つまり、Excelを起動したら自動的にExcel用の操作をまとめたページを表示する、といった具合です。これが結構便利。
ただし、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントはブラウザ上で使用するので、この紐づけができません。ブラウザアプリを起動したらブラウザ用の操作をまとめページを表示することは可能です。しかし、Googleスプレッドシートやドキュメントのような個別のWebサービス単体での紐づけはできません。
アプリとして独立しているExcelやWordのほうが、Stream Deck +との相性は良いかもしれませんね。
Stream Deck +は、オフィスワークでも活用できることがわかりました。効率化にともなう時短が可能です。
とはいえ、1時間かかっていた作業を1分に縮めるような劇的な変化は期待できないかもしれません。
それでも、毎日の小さな効率化の積み重ねが、やがて大きな時間の節約につながるのは確かです。ちょっとした工夫が、日々の作業をラクにしてくれます。
もし、Stream Deck +によって1日10分の時間を節約できれば、1年で約5日分の時短になります。
※1年の労働日数を245日、1日8時間働いた場合を想定
1年で5日間もの時間を作ろうと思ったらちょっと大変だと思いますが、Stream Deck +で効率化すれば実現も夢ではないかもしれません。
日々のちょっとした手間をStream Deck +に任せて、ゆったり仕事するも良し、冒頭にも書いたようにクリエイティブな仕事や判断業務に集中力を割くも良し。時間ができれば、さまざまな余裕が生まれるはずです。
画像編集や動画編集など、クリエイティブワークでの使い道はこちらの記事で紹介しています。
Stream Deck +はオフィスワークで活用できますが、あなたの仕事に合うかどうかについては、一度実際に使ってみないとわかりません。
合わない可能性もあるので、まずは一度試してみることをおすすめします。例えば友人から借りても使ってみても良いのですが、そう都合よく貸してくれる友人がいるとは限りません。
そこでレンタルして試してみるというのは、合理的な方法ではないでしょうか。
良くも悪くも人を選ぶデバイスなので、まずは一度試してから、長期的に使い続けるかどうか決めるのがおすすめです。