XREAL Oneの使用経験のある筆者が「XREAL One Pro」を使用し、進化した点や使い勝手についてレビューを行いました。
これまでのXREAL製品に比べ、より大きな仮想ディスプレイで映像を見られるのが、XREAL One Proの一番のメリット。
また反射が激減し、映像への没入感がさらに高まったのも大きな進化です。
本記事ではXREAL One Proを実際に使った感想やメリットデメリット、また多くの人が気になるXREALの見え方についても詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
INDEX

2025年1月に発売されたXREAL Oneの上位機種として、2025年7月に発売された最新ARグラスがXREAL One Proです。
| 発売日 | 2025年7月24日 |
| 視野角 | 57度 |
| ディスプレイ | 0.55インチ |
| 最大リフレッシュレート | 120Hz |
| チップ | X1 |
| サウンド | BOSE |
| 光学設計 | X Prism |
| 調光機能 | あり |
| 最高輝度 | 700ニット |
| 重量 | 87g |
| 価格 | 84,980円 |
| 詳細 | 詳細を見る |
本製品の最大の特徴は「X Prism」という光学設計を採用していること。
これまでのXREAL製品とは異なる光学設計を採用したことで、XREAL史上最大の視野角である57度を実現したのが大きな特徴です。
つまり、XREALを通して見える仮想ディスプレイが大きくなったということです。
ARグラスの見え方に直接関わる部分が進化しました。このあたりを中心に解説します。

XREAL One Proには目とレンズの間にガラスのようなパーツがついています。このガラスのぞき込むことで、接続したスマホやPCの映像が見られます。
この仕組み自体はこれまでのXREAL製品と同じなのですが、XREAL One Proではこのガラスのようなパーツの形状が少し変化しました。
ここが「X Prism」と呼ばれる光学設計の部分で、これまでのXREAL製品にないような新しい見え方を演出してくれます。
早速パソコンに接続し、グラスを装着。
「……何が変わったんだ?」というのが、最初の正直な感想でした。
XREAL Oneと全く同じチュートリアル画面・設定画面、見え方も大きく変わってはいないような……。
不思議に思いつつ手元にあるXREAL OneとXREAL One Proを何度もとっかえひっかえ装着してみたところ、「視野角の広さ」「反射激減」「本体のスリム化」という3つの大きな違いに気が付きました。
まず1つが視野角の広さです。

One Proのイメージ|左端のSUUTAの文字が全部入っている

Oneのイメージ|視野角が狭く左上の文字が収まりきらない
XREAL Oneと比べ、One Proは画面の見える領域が広がり、より大画面で映像を楽しめるようになっています。
「めちゃくちゃ大きくなってるか」と言われるとそうでもないのですが、Oneの頃だったら画面端が見切れていたようなサイズ感の映像を映し出しても、One Proなら見切れません。
この視野角の変化は純粋な進化にあたるので、素直にうれしいですね。
続いて感じたもう一つの変化が、ディスプレイの反射なくなった点です。

XREALの旧製品(OneやAirシリーズ)の場合、映像を見ていると光の反射によって周りの物がレンズに映り込み、ノイズとなって見えてしまうことがあったんですね。
しかし、XREAL One Proだとそういった反射が一切なくなっていて、ノイズのない没入感のある映像が楽しめます。
スマホ・タブレット・ノートパソコン・ディスプレイを使用しているときに、画面が光沢液晶だと周囲の光が映りこんで反射しますが、非光沢液晶だと反射が少なくなるようなイメージを想像してもらえるとわかりやすいかと思います。
反射によるノイズは個人的にはかなりうっとうしい存在だったこともあり、この反射がなくなっているのは明確に大きな進化だと感じました。
なお、YouTubeやメディアでOneとOne Proを比較レビューしている方々の感想を見ていると、「映りが若干変わった」「Oneのほうが映りが綺麗」といった意見もよく見かけます。
筆者も何度も2つのグラスをかけて見比べてみたのですが、残念ながら映りの違いには気づけませんでした……。
個人的にはどちらの製品も非常にきれいな映像だと感じましたが、もし映りが気になるのであれば、XREAL本体の設定で映りも調整できるので、大きな問題ではないと思います。

左:XREAL One / 右:XREAL One Pro
よく見ると折りたたみ時の分厚さが薄くなっていたりといった変化が見られ、全体的にXREAL One Proには満足しています。
スリムになったので、シャツの胸ポケットなどにも入れやすいでしょう。
最初は変化がわからずやや戸惑いましたが、One Proになったことでしっかりとパワーアップしていることを実感できてよかったです。
続いて気になる方も多いであろう「XREAL One Proでの画面の見え方」について紹介していきます。
▼特徴
「画面固定モード」では、指定した位置に画面を固定できます。

感覚としては、任意の場所にディスプレイを一枚置いているイメージです。頭を動かしても画面自体はその場に留まります。
表示位置はすぐに調整でき、好みの場所に固定可能です。
使い方の例としては、固定表示で映画や動画をじっくり楽しむのはもちろん、ノートPCと接続して実機ディスプレイの上や横に仮想ディスプレイを配置する方法が便利です。
ノートPCは通常1枚の画面ですが、XREAL One Pro側に仮想の“2枚目”を用意すれば、実質的にデュアルモニターのような作業環境を再現できます。
「画面追従モード」では、顔の動きに合わせて画面が追従してきます。

頭や体の動きに連動して、仮想ディスプレイが視界内で追従します。
固定表示だと同じ位置を見続ける必要があり、首や肩に負担がかかったり、疲れを感じやすくなります。
追従モードなら姿勢を変えても仮想ディスプレイがついてくるため、好きな姿勢で映像を楽しみたい人に最適です。
続いて「サイド画面モード」の見え方について。

視界の左右あたりに、仮想ディスプレイを固定しておけるモードです。
頭の動きに合わせて表示も追従するため、挙動としては上記の「画面追従モード」に近いです。
サイド画面モードはレンズ内映像を主役にするというより、現実の視界をメインに保ちつつ“脇でのぞくサブ画面”として使うのがおすすめ。
右または左に常駐させた小さな仮想ディスプレイに、常時表示しておきたい情報を置いておく使い方がぴったりです。
このようにXREAL One Proにはさまざまな表示モードが用意されています。どの見え方が自分の用途には最適なのか、購入前にレンタルで確かめてみるのもおすすめです。
エックスリアル/XREAL One Pro
続いてXREAL One Proのさまざまなモードを使いながら、スマホやPCと組み合わせてどんな使い方ができるのか試してみました。
その結果、「この用途にはおすすめだけど、この使い方はちょっと微妙かも」というところがわかってきたので、紹介します。
▼デバイスごとの使い勝手

XREAL One Proとスマホの組み合わせなら、動画視聴との相性が最適でした。
一方で、ゲームアプリや日常的なアプリ操作・ブラウジングにはやや不向きだと感じました。
というのも、XREAL One Pro内の映像を見つつ、手元の端末をタップする動作が噛み合いにくく、操作性が下がりがちだからです。
その点、動画は操作頻度が低いため快適。スマホ本体だと画面が小さいですが、One Pro越しなら大画面感で楽しめます。
また、固定表示・追従表示のどちらでも相性は良いので、リラックスした姿勢で動画視聴できるのがすごく良かったです。

XREAL One ProをPCと組み合わせる場合は、大きな画面で作業したい、あるいは仮想ディスプレイを足して作業領域を広げたいといった使い方が想定できます。
スマホと違ってキーボードやマウス主体の操作になるため、装着したままでも作業しやすかったです。相性は良いと言えます。
XREAL Oneよりも視野角が広く、仮想ディスプレイが大きく感じるのも、使い込んでいくと見逃せないメリットだと感じるようになりました。
ただし、物理ディスプレイ + 仮想ディスプレイの“擬似的なマルチディスプレイ”を使いたい場合は注意点があります。
物理マルチディスプレイでは、目線を左右に振るだけで複数画面を見渡せます。しかし、仮想ディスプレイは見たい画面へ頭(視線)を向けて視野の中心に入れる必要があります。
つまり、マルチディスプレイ環境“らしさ”は再現できても、体感は物理マルチと完全に同一ではないということです。
とはいえ、モニターを増設せずに作業スペースを拡張できるのは大きな利点。
そのうえで、実機のマルチと同じ感覚ではない点だけ理解しておくと良いでしょう。

コントローラー操作で、視線を手元に落とさず遊べる家庭用ゲーム機とXREAL One Proの相性はとても良いです。
ただし注意点として、機種によっては接続のために変換アダプタや「XREAL Hub」などの周辺機器が必要になる場合があります。
本体とOne ProをUSB Type-Cケーブルで直結できない場合や、一部のゲーム機では非対応の可能性もあるため、購入前に接続要件や対応状況をしっかり確認しておきましょう。
XREAL One Proをお持ちのゲーム機やPCなどと接続できるか確かめたい場合は、レンタルしてみるのもおすすめです。
エックスリアル/XREAL One Pro
▼XREAL One Proのデメリット

左がOne、右がOne Pro
筆者は何度かOneとOne Proをとっかえひっかえ装着したことで変化を感じることができましたが、言い換えればそこまでしないと変化を感じないレベルの進化ではあるということです。
筆者のようにOneとOne Proが手元にある人からすれば進化やありがたみを感じられるかもしれませんが、初めてXREALを手にする人からするとあまり恩恵を感じられないのでは?と思います。
そのため、XREALを使用したことがない方は、より価格の安いXREAL Oneのほうがおすすめかなぁというのが正直な感想です。
違いを理解すると大きな進化だなと実感できるんですけどね……。
XREAL One Proは84,980円、XREAL Oneは69,980円とどちらも高額な製品です(価格は2025年11月現在)。
両製品の価格差はちょうど15,000円ですが、その価格差に見合った変化が期待できるかについては賛否両論あるかと思います。
感想のところでも述べましたが、OneからOne Proになって変わったのは視野角がやや広くなり、反射がしづらくなったぐらいです。
この2点だけで15,000円も価格差があるのかと思うと、正直なところちょっと高いと感じる人もいそうです。
この価格差に価値を感じるかどうかは人それぞれ。まずはレンタルで試してみてはいかがでしょうか。
エックスリアル/XREAL One Pro

XREAL One Proではメガネとの併用は装着感が悪く、実用的ではありません。
そのため、視力の悪い方はコンタクトレンズを装着するか、XREAL専用の度付きレンズを作成する必要があります。
度付きレンズを作成するには、おおよそ7,810〜14,630円ほどの別途費用がかかります。
この度付きレンズなのですが、残念なことに「XREAL One」と「XREAL One Pro」では互換性がありません。
XREAL Oneで度付きレンズを使っていた方からすると、なぜOne Proに買い換えてまた度付きレンズを作り直さなければならないんだとなるでしょう。
同じOneシリーズを名乗るのであれば、このあたりは使いまわしができるようにしてほしかったところですね。
▼XREAL One Proのメリット

XREAL One Proの最大のメリットは、光学設計が変わったことによりレンズ周りの反射がしづらくなり、没入感が高くなったことだと筆者は思います。
これまでのXREAL製品ではレンズに反射することが多く、座って使用するだけでも自分の服や周りの物まで反射してしまい、没入感はかなり損なわれていました。
ただ映像を鑑賞するだけであれば問題ありませんが、しっかり集中して映像作品を楽しみたい場合には深刻な問題でした。これが原因でグラスを使うのは微妙だな……と感じていた人も少なくはないと思います。
XREAL One Proであれば、そのような懸念がすべて解消。
反射が減ったことで映像を楽しんでいてもノイズやストレスになることが一切なく、集中できるのが最高です。
デメリットでは「15,000円の価格差が気になる」と紹介しましたが、個人的にはこの反射が解消されることの恩恵を考えれば、多少高額でもXREAL One Proを選択する価値は大いにあると思います。

One Proのイメージ|左端のSUUTAの文字が全部入っている
XREAL One Proは視野角57度と、一般的なARグラスよりもかなり広い範囲を映し出してくれます。
ARグラスはどうしてもレンズ内に画面を投影する関係上、画面のサイズには限界があるので、少しでも大きく画面を映し出してくれるのは大きなメリットと言えるでしょう。

左:XREAL One / 右:XREAL One Pro
XREAL One Proの公式サイトには「フレームが薄くなった」と記載されていながら最初は違いに気づかなかったのですが、確かにフレームのサイズ感がかなりコンパクトになっていました。
写真だとわかりづらいかもしれないのですが、結構薄くコンパクトになっているんです。
見ただけでは微々たる差に感じられるかもしれませんが、手で持ったとき、ポケットに入れたとき、机の上に置いたときには結構この差を感じられます。
One Proのフレームが薄くなったことにより、結果的に耳掛けの部分もしっかり折りたためるようになり、かなり見た目のスタイリッシュさが向上しています。
性能には直接関係してきませんが、ゴツさが減ったのは明確にメリットと言えそうです。
XREAL One ProにはMサイズとLサイズがあり、瞳孔間距離によってサイズを選択できます。
これまでのXREALでは設定上でしか瞳孔間距離の調整が行えませんでしたが、2サイズを展開することにより、より自分にフィットしたサイズ感の製品を使用できるようになります。
XREAL One Proも設定上で瞳孔間距離の調整は行えるので、グラス自体のサイズを選びつつ設定上で調整を行うと完璧です。

最初はXREAL Oneとの違いがよくわからなかったXREAL One Proですが、使い続けていくうちにしっかり進化した点を実感でき、より良い製品に生まれ変わっていることを感じられました。
反射も少なくなり、より実用的な製品となったXREAL One Proですが、それでもまだまだ人を選ぶ製品だと思います。
XREAL One ProのようなARグラスは、実際に見え方などを体験してみないと、良し悪しがわかりづらい製品です。
いきなり高額なXREAL One Proを購入する前に、まずはレンタルを試してみてはいかがでしょうか。
総合レンタルプラットフォームSUUTAでは、XREAL One Proが2週間4,900円ほどでレンタル可能です(※2025年11月現在のレンタル価格)。
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