ギターアンプで有名な英国ブランドのMarshall。ヘッドホンやイヤホンといったオーディオ機器も手掛けており、Marshallらしいレトロで高級感のあるデザインのモデルを多くラインナップしている点が特徴です。
音質やノイズキャンセリングの効き方など性能面でも高く評価されており、音楽好きの心をくすぐる1台に仕上がっています。
とはいえ、「実際の音質はどうなの?」「バッテリーはちゃんと持つ?」と気になる方も多いはず。
そこで本記事では、「Marshall Motif II A.N.C」を実際に使ってみて感じた魅力やイマイチなポイントを、正直な感想とともに詳しくレビューします。
INDEX

「Marshall Motif II A.N.C」は、2023年に登場した完全ワイヤレスイヤホン。
ギターアンプの名門ブランドであるMarshallらしく、厚みのある低音とクリアな高音が楽しめるサウンド設計が魅力です。小型ながら、まるでライブ会場にいるかのような臨場感を味わえます。
アクティブノイズキャンセリング機能も搭載し、移動中や周囲が騒がしい環境でも音に集中できる仕様です。ワイヤレス充電や最大約30時間の再生など、使い勝手の良さも充実しています。
レザー調のケースとブランドロゴも印象的で、高級感と個性を兼ね備えているのも特徴。
| ドライバーサイズ | 6mm |
| Bluetooth | 5.3 |
| コーデック | SBC・AAC・ LC3 |
| ノイズキャンセリング | 対応 |
| 外音取り込み | 対応 |
| 連続再生時間 | 約6時間(ANC オン) 約9時間(ANC オフ) |
| 充電ケース使用時 | 約30時間(ANC オン) 約43時間(ANC オフ) |
| 防水 | イヤホン:IPX5 充電ケース:IPX4 |
| 重量 | 片耳:約4.31g 充電ケース:約47.1g |
Marshallのヘッドホン「Marshall Major V」もそうでしたが、こちらも音質・デザイン・機能のすべてにMarshallらしいこだわりが詰まったイヤホンです。
早速、Marshall Motif II A.N.Cの外観をチェックしていきましょう。

ケースの形状は、AirPodsシリーズにも採用されている見慣れた長方形。表面には加工でレザー風のシボ感が再現されており、Marshallらしい高級感のあるデザインに仕上げられています。

正面にドンとMarshallのロゴが配置されているのも特徴です。
個人的に、ロゴをデカデカと主張するタイプのデザインはあまり好みではないのですが、ブランドロゴ自体に魅力があるMarshallに関しては別。
「これぞMarshall!」というデザインは所有欲が満たされますし、持っているだけ・部屋に置いておくだけでちょっとテンションが上がります。

底面には充電用のUSB Type-Cポートが搭載されていました。

ケースを開くと、左右のイヤホンが外側を向いて収納されています。
蓋が大きく開くのでイヤホンをスムーズに出し入れできるのは嬉しいですが、取り出したあとに外側を向いているイヤホンの向きを変えなければならないのは、ちょっとだけ面倒です。

イヤホンも非常に凝ったデザイン。
黒で統一された本体に、Marshallの頭文字である「M」が配置されています。さらに、軸部分の表面感や先端のゴールドのパーツは、マーシャルのアンプを彷彿させるデザイン。音楽好きにはたまらない設計ではないでしょうか。
Marshall Motif II A.N.Cを実際に使って感じたデメリットを2つ紹介します。
▼デメリット

Marshall Motif II A.N.Cにはアクティブノイズキャンセリング機能が搭載されていますが、その効き方はやや控えめな印象です。一定の環境音はしっかり抑えてくれるものの、ピンと張り詰めたような静寂を作り出すほどの強力さはありませんでした。
環境音を全体的に和らげるようなイメージに近く、人の話し声やアナウンス、工事現場の振動音などは耳に入ってきやすいと感じました。電車や飛行機といった極端に騒がしい環境で、しっかり音楽に集中するために使うのにはやや物足りない可能性があるので注意しましょう。

ただし、ノイズキャンセリングを強く効かせすぎない分、耳への圧迫感が少なく長時間使っても疲れにくいというメリットもあります。音質への影響も控えめで、自然なサウンドを保ちながら雑音を減らしてくれるバランス型といえるでしょう。
強力な遮音性を求める人には物足りないかもしれませんが、外での安全性や装着の快適さを重視する人にはちょうど良い仕上がりです。
Marshall Motif II A.N.Cは通話用マイクを内蔵しており、実際に何度かLINE通話で活用してみましたが、性能は正直なところイマイチ。

会話をすること自体に問題はありませんが、通話相手に聞いてみたところ、自分の声がこもって聞こえたり、雑音を拾いやすかったりすることが多いとのことでした。
AIによるノイズリダクション機能も搭載されていますが、風の音や人混みのザワザワ感などには十分に対応しきれていない印象です。
もちろん、あくまでマイク使用時に限定される弱点であり、音楽再生や動画視聴などに影響はありません。外で頻繁に通話をする人やオンライン会議の音声品質を重視する人には気になるポイントですが、家族や友人と短時間の通話に使う程度なら十分実用的な範囲といえるでしょう。
続いて、Marshall Motif II A.N.Cを実際に使って感じたメリットを4つ紹介します。
▼メリット
まずは、デザインについて。

Marshall Motif II A.N.Cは、イヤホン本体もケースも非常にコンパクトながら、十分な存在感があります。レザー調の質感にブランドロゴがあしらわれたデザインは、まるでギターアンプをそのまま小型化したような仕上がり。手に取るたびにMarshallらしいクラシックな雰囲気を感じられます。
ブラックを基調としたマットな質感は高級感があり、シーンを選ばずに使えるのもポイント。ポケットに収まるサイズ感ながらも、安っぽさをまったく感じさせません。

見た目のデザイン性だけでなく、手に持ったときの質感にもこだわりがあり、音だけでなく所有する喜びを感じさせてくれるイヤホンです。
Marshall Motif II A.N.Cの最大の魅力は、やはりそのサウンドです。

ギターアンプで知られるMarshallらしく、低音の厚みと中高音の抜けの良さが絶妙に調和しています。ベースやドラムの響きがしっかりと感じられつつ、ボーカルも埋もれずクリアに再生されるため、ジャンルを問わず臨場感のある音を楽しめます。
特にロックやポップスでは、まるでライブ会場にいるかのような迫力を感じる人も多いはず。小型の完全ワイヤレスイヤホンながら、音の広がりと奥行きがあり、サイズ以上の鳴りを実感できます。長年アンプを作り続けてきたブランドならではのノウハウが生きたイヤホンです。
とはいえ、音質の好みは人それぞれ。Marshall Motif II A.N.Cは完全ワイヤレスイヤホンとしては高価な部類(約29,800円)でもあるため、購入する前に自分に合うかどうかをレンタルで確かめるといいでしょう。
レンタルプラットフォームSUUTAであれば、2週間で3,000円からレンタルできます(※2025年10月時点)。ぜひ購入前に音質や装着感などを確かめてみてください。
マーシャル/Marshall Motif II A.N.C ブラック
音質のよさをさらに後押ししているのが、専用アプリの存在です。

専用アプリの「Marshall Bluetooth(iOS / Android)」を使うことで、Motif II A.N.Cの音質を細かくカスタマイズできます。イコライザー機能で低音の厚みを増したりボーカルを際立たせたりと、好みに合わせてサウンドを仕上げられるほか、プリセットも複数用意されているため、気分やシーンに応じてワンタップで切り替え可能です。
また、ノイズキャンセリングや外音取り込みモードのレベル調整もアプリから行えるのが非常に便利。デフォルトのチューニングでも完成度は高いですが、自分の耳に合わせた最適な設定に仕上げられるのは大きな魅力です。
Marshall Motif II A.N.Cはバッテリーの持続時間は、アクティブノイズキャンセリング有効時で最大約30時間(充電ケース使用時)と1日使っても余裕があり、頻繁な充電が不要。
さらに、便利なワイヤレス充電にも対応しています。

ケーブルをさす手間がなく、Qi規格対応の充電パッドに置くだけでいいため、デスク周りやベッドサイドでも手軽に充電可能です。
USB-Cケーブルでの有線充電にも対応し、急いでいるときは15分の充電で約1時間再生できるクイックチャージ機能も搭載されています。外出前や出張時など、「ちょっとだけ充電しておきたい」というシーンで重宝する機能です。

Marshall Motif II A.N.Cは、音質・デザイン・使い勝手のすべてにこだわりたい人にぴったりの高品質な完全ワイヤレスイヤホンです。
低音の厚みと高音の抜けが両立した迫力あるサウンドは、ロックやポップスを中心に幅広いジャンルで楽しめます。さらに、クラシックなレザー調デザインは高級感があり、ファッションの一部としても映える存在です。ノイズキャンセリング性能は控えめながらも自然な聞き心地で、長時間の使用にも向いています。
一方で、「少し気になるけどいきなり購入するのは不安」という人もいるでしょう。そんなときは、実機をレンタルして実際に生活の中での使い心地を試してみるのがおすすめ。音質や装着感、デザインを自分の環境でじっくり体感してから購入を検討すれば、後悔のない選択ができるはずです。